Little Harvest Reader's Favorites

今年出会ったアルバム 「BEST 3」 * 2008年

1: 赤谷 隆一  インド・デリー(昨年7月より仕事の関係で単身赴任)  52歳
 1. ランディ・ニューマン 『HARPS AND ANGELS』
 2. 『クロスロード・ギター・フェスティヴァル2007』 (DVD)
この国の現在の洋楽状況ではなかなか新作がCDショップにあるのは難しいのですが、何故かしら奇跡的にランディ・ニューマンの新作は届いていました。その中の珠玉のバラード2曲に、ここでの生活の癒しになりました。DVDの方は時期が少しずれましたが、ここで買えたので、ロス・ロボスとジェフ・ベックとスティーヴ・ウインウッドの年齢の重ね方と演奏具合にここでの生活においてめげずに暮らしていくよう襟を正しました。そんな訳で変則的ですがその2枚とさせていただきます。
2: 市川 誠
  Punch Brothers 『Punch』 (Nonesuch)
  Samamidon 『All Is Well』 (Bedroom Community)
  中川翔子 「綺麗ア・ラ・モード」 (シングル)
「綺麗ア・ラ・モード」。好きだからしょうがないです。筒美京平&松本隆のコンビはレノン&マッカートニーと同じくらい好きかもしれません。Punch Brothersは元ニッケル・クリークのクリス・シーリーを中心とした、現代的な感覚にあふれたブルーグラス。パンクもプログレも聴くけど、オレはブルーグラスが好きなんだという、うざったいまでのブルーグラス愛にあふれた一枚でした。サムアミドンのアルバムは、ビョークやアントニーとの仕事で知られるニコ・ムーレイの協力を得て作られたもの。古いブルースやアメリカのフォーク・ソングのような手触りです。
2008年は天辰さんの著書『ゴールド・ラッシュのあとで』の編集を担当することができました。天辰さんの文章を繰り返し読んでいた10代の自分も喜んでいるでしょう。その頃の自分に会えるなら、ひとこと言っておきたいですけど。「紙の在庫には気をつけろ!」
3: 内田 英一  49歳
 1. Ray Davis 『Working Man's Cafe』
 2. 『The Jerry Ragovoy Story: Time Is On My Side 1953-2003』
 3. Mark Lindsey 『You've Got A Friend』
数年前のハワード・テイトのカムバック(来日公演は素晴らしかった!)がきっかけで興味を持ったJ.ラゴヴォイ。アーマ・トーマス以前に「Time Is On My Side」のインストの原曲があったとは知りませんでした。
4: 大浜 稔  三鷹市  51歳
  Jackson Browne 『Time The Conqueror』
  Steve Winwood 『Nine Lives』
  Al Green 『Lay It Down』
今年は発売から来日まで毎日聴いていたジャクソンですね。
コンサートも大満足でした。
5: 小尾 隆  東京都  50歳  http://silver.ap.teacup.com/1958/
  Steve Winwood 『Nine Lives』
  Van Morrison 『Keep It Simple』
  James Hunter 『The Hard Way』
ウィンウッドに聞き惚れた一年でした。音楽的な語彙を沢山持っていれば、それだけきめの細かいサウンドスケープを描き出すことが出来る。そんな最良の収穫ではないでしょうか。ヴァン・モリソンの新作は、音楽の神様がロンドンのパブへと舞い降りてきて、気楽にセッションを楽しんでいるようなニュアンスが愛おしく、改めて彼が歩んできた歳月の長さを思いました。ジェイムズ・ハンターはそんなヴァンに見出され、彼のツアーにも参加ことがあるホワイトR&Bの逸材。隙間を生かした腹八分目の音作りに彼の美意識が汲み取れます。それにしてもウィンウッドの素晴らしさよ!こんな芳香溢れる“ブリティッシュ・ロック”を待っていました。
6: 北中 正和  http://homepage3.nifty.com/~wabisabiland/
  Rokia Traore 『Tchamantche』
  Seun Kuti 『Many Things』
  Origines Controlees 『Chansons De L'Immigration Algerienne』
ロキアはフランスを拠点にしているマリ共和国のシンガー・ソングライター。この新作ではセミアコを弾き語りしています。才媛を絵に描いたような人。
シェウンはナイジェリアのアフロ・ビートの創始者フェラ・クティの末息子。父親ゆずりの音楽を若々しい感覚で。グルーヴに目のない方はぜひ。
もう一枚はフランスのアルジェリア系移民の二世たちによる父親世代の音楽の再演。ケイジャンなんかが好きな人におすすめです。
7: キーノ  東京都  50歳  http://diary.jp.aol.com/trgyxb5d/
- 新譜編 -
 1. Brett Dennen 『Hope For The Hopeless』
 2. Kathleen Edwards 『Asking For Flowers』
 3. Duffy 『Rockferry』
化石にならないよう現役感の強い人の音楽を聴いてます。基本的にはLIVEが見たくなるような人を欲してます。ミュージシャンの発表の場がメジャー・レーベルのパッケージ依存から離れて久しいと感じてますが、配信やマイナーで国内盤が出にくい状況ですと、益々オヤヂ達がステキな音楽を聴く機会が減りそうで心配しますね。
1はカリナイDJでもかけさせていただきましたが、POP度が増してキラキラしてます。今年ブレイクの予感あり。2は真摯な歌が全編に聴こえる1枚。凛としたたたずまいはカナダ人SSWの伝統なのでしょうか。期待通りです。3はソウル・マナーをわきまえたウェールズのお嬢さん。素晴らしいCDで何度も聞き返したが、ショーケースは音盤以上のプラス・アルファが感ぜられず、ちょっと残念でした。
- 再発・発掘編 -
 1. Bob Dylan 『Tell Tale Signs: The Bootleg Series Vol.8』
 2. Otis Redding 『Live In London & Paris』
 3. Dennis Wilson 『Pacific Ocean Blue』
紙ジャケや新素材での高音質CDと一見華やかなリイシュー市場ですが、裏を返せば同じものを何度も出しているにすぎない。デラックス盤も安易に未発表LIVEを付ければ良いのかって感じです。レコード会社ももっと熱意を持ってリイシューに接して欲しいと願ってます。そんな中でも手を変え品を変えてブートレグ・シリーズを出し続けるDylanはやはりスゴイ人だと思います。OtisのLIVE音源がまとまって聴けたことも嬉しいし、Dennisのデラックス盤はオリジナル・アルバムにボートラ付けて、2枚目は未発表の「Bambu」セッションとお宝尽くしでこれぞリイシューの鏡といった内容でした。この3枚があれば今年のリイシュー市場はメデタシメデタシです。
8: kyoko maruyama 
いちおうアルバムを選びましたが、ライヴが印象的でとても良かった3組です。
  Priscilla Ahn 『A Good Day』
プリシラ・アーンは韓国系アメリカ人シンガーソングライター。アコースティックな印象が強い彼女ですが、ライヴでもループマシンを多用してるあたり(その場で生歌を録音し、それをどんどん重ねてハーモニーを作っていく)、20代の女の子らしいアイディアと感性がとても魅力的。そしてなにより、裏表のないピュアな素顔がとってもチャーミング!
  Jackson Browne 『Time The Conquerer』
ココ最近のジャクソンのライヴの中では一番良かった!たとえ昔の曲をやらなくても、新作からの曲だけしかやらなかったとしても、満足できるライヴでした。といいつつ、もちろん昔の曲はやってくれましたし、当然ながらいいんですけどね。今が一番いい、って思えるジャクソンに久々に会えたような気が。真っ白な髭のジャクソンが素敵。紅顔の美青年のジャクソンも当然素敵だけど。そんな感じ(笑)
  pupa 『floating pupa』
6人がステージに登場する時の絵になること!知世さんの愛らしいこと!映像、衣装、すべてぬかりなし。百戦錬磨のツワモノばかりなのに、「新人バンド」の初々しさ(笑)もあり、そのギャップがかわいらしい。「LAIKA」が一番のお気に入り。
9: 齋藤 皓太  千葉県  54歳
 1. Donnie Fritts 『One Foot In A Groove』



心で唄うっていうのはこういうことですね。
 2. Dan Penn 『Junkyard Janky』
健在を示してくれて嬉しかったです。
 3. Southside Johnny 『Grapefruits Moon』
トム・ウェイツが思わず「俺にも唄わせろよ。」と参加してしまったカッコいい盤。サウスサイドはいい盤出し続けているのに全く話題にもならない。
以下順位だけ
4. John Hiatt 『Same Old Man』  5. Nils Lofgren 『The Loner』  6. Lucinda Williams 『Little Honey』  7. Dave Mason 『26 Letters 12 Notes』  8. Cropper & Cavaliere 『Nudge It Up A Notch』  9. Emmylou Harris 『All I Intented To Be』  10. Sally Dworsky 『Boxes』
他にも、Amos Garett、Jackson Browne、Sonny Randreth、Ry Cooder、Van Morrisonなど好きでした。反対にガッカリしたのは Ron Sexsmith。大好きなのに、今回は何にも感じませんでした。今年期待するのは、まず Springsteen。そして Garf Morlixの新盤ですね。
10: 笹野 恒夫  神奈川県  54歳  http://homepage2.nifty.com/cypressave/
  Donnie Fritts 『One Foot In The Groove』 (LMR 2008)
  Jakob Dylan 『Seeing Things』 (COLUMBIA 2008)
  Mississippi Sheiks 『Stop and Listen』 (YAZOO 1992)
豪華競演陣に囲まれたドニー・フリッツ、病気も治ってゴキゲンなアルバムを作ってくれました。ジェイコブは、ディランというよりもウォーレン・ジヴォンの雰囲気でしょうか。ジェフ・マルダー経由で辿り着いたミシシッピー・シークスも聴き応えがありました。
11: 鈴木 カツ  神奈川県  60代  http://park8.wakwak.com/~music/kats/
 1. ボブ・ディラン 『テル・ティル・サインズ』 (ソニー SICP 1993-4)
 2. ハンク・ウィリアムス 『The Unreleased Recordings』 (Time/Life 80031D)
 3. ウィリー・ネルソン&ウィントン・マルサリス 『スターダスト』 (EMI)
次点  ジャクソン・ブラウン 『ソロ・アコースティック第二集』 (ソニー)
よく聴いたアルバムを基準としております。ディラン音楽は、本当に奥が深いと率直に思いました。新しい発見があって、“ディランに出会えて良かった”と実感しました。
12: TOSHI
 1. Gary Louris 『Acoustic Vagabonds』
 2. Jakob Dylan 『Seeing Things』
 3. Todd Snider 『Peace Queer』
次点  4. Glen Campbell 『Meet Glen Campbell』
     5. Neil Diamond 『Home Before Dark』
偶然にも本人が弾くギターが印象的な作品を選んでしまいました。どのアルバムのギターも味わいがあり、その人の歩んできた人生が6本の弦から伝わってくる感じがします。その音に乗って歌われる物語に心を揺さぶられた1年でした。
13: 中川 五郎  http://www.goronakagawa.com
 1.  Pete Seeger 『At 89』 (Appleseed APR CD-1113)
 2.  Jane Birkin 『冬の子供たち / Enfants D’hiver』 (EMI TOCP-66841)
 3. オムニバス 『フランソワ・ベランジェ・トリビュート~これらのひどい言葉~Tous Ces Mots Terribles  Hommage A Francois Berranger』 (オルターポップ ERPCD-17000)
最近は書くことよりも、歌を作って歌う機会が多くなりましたが、この3枚は歌い手としてのぼくに大きな刺激と感動と影響を与えてくれました。これらの素晴らしい音楽や活動を自分の音楽の中に吸収して、消化していけたらと強く願っています。
14: NOAH
 1. 久保田麻琴 『まちぼうけ』
感動の再発、震えました。京浜ロック祭りで初めて動く夕焼け楽団をみました。
 2. Richard Manuel  『ウィスパリング・パインズ~ライヴ リチャード・マニュエル』
なんて暖かいピアノ・声 なんだろう。今更ながら生で見たかった。
 3. Billy Preston 『Live European Tour』
なんだこの熱さ!この濃さ!GROOVE!やはりただもんじゃない
15: 藤本 国彦  東京都  http://www.cdjournal.com
 1. 『浜口庫之助CM大全』 (ソニー)
 2. 鈴木祥子 『SWEET SERENITY』 (ソニー)
 3. ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr. 『キャットニップ・ダイナマイト』 (ポニーキャニオン)
20年ぶりにイギリスに行って金を使いすぎたせいか、LPとCDの購入が激減した1年でした。いや、むしろ、一昨年暮れに会社が神保町から本郷に移り、中古レコード屋めぐりが減ったのが大きかったのかも。そんなちょっとさみしい音楽生活のなか、とくによく聴いたのが『浜口庫之助CM大全』。「純生~純生~」とか「ジョア~ジョア~」とか、耳にへばりついたメロディに懐かしさを覚えつつ、気がついたら1年中聴いてました。ハマクラさんのツカミの良いポップな音作りに、ビートルズとの共通点を見た思いです(おおげさ)。それがきっかけになったのか、2008年は、明るめで軽めで爽やかで穏やかな作品を耳にする機会が多かったように思います。
16: 松井  大阪府  55歳
 1. Ron Sexsmith 『Exit Strategy Of The Soul』
 2. Sheryl Crow 『Detours』
 3. Emmylou Harris 『All I Intended To Be』
3に入っている「How She Could Sing The Wildwood Flower」を聴くと 5月のCRT「ジョニー・キャッシュ・ナイト」に参加した時の事が思い出されます。
17: Mayumi Abe  東京  http://www.wind.sannet.ne.jp/mayu-a/
  Jakob Dylan 『Seeing Things』 (Columbia)
  Lindsey Buckingham 『Gift Of Screws』 (Reprise)
JakobもLindseyも彼らならではの音を届けてくれました。前回(2006年のBest3)に続き、大好きなアーチストの新譜が嬉しい一年でした。
18: 水口 正裕
  Mary J Blige 『Growing Pains』
  Jason Mraz 『We Sing, We Dance, We Steal Things』
  Counting Crows 『Saturday Nights & Sunday Morning』
自宅でのヘヴィ・ローテーション上位3枚です(隠れ1位は、出かける時の準備中によくかけていた『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil '66』だったりしますが)。
Counting CrowsのヴォーカルAdam Duritzはトニー賞(ブロードウェイ版アカデミー賞)の授賞式にプレゼンターとして出てきて驚かされました(作品賞他の候補になっていた『Passing Strange』という作品を作ったStewというミュージシャンの友人だったようです)。
19: 宮田 康史  57歳  http://bar-gershwin.com
  宮田あやこ 『Dream a little dream』
  シェルビー・リン 『Just a little lovin'』
20: yoshiaki ohana kameishin  神奈川県
東京を離れ海から5分の場所へ転居したせいか?話声や騒音を遮断するかのようにiPodすることがなくなりました。江ノ島へサイクリング、箱根までドライブといった状況で音楽を楽しむせいか?難しくないポップな歌と仲良くした1年でした。
そんなプレイリストはこんな感じ♪恥ずかしいくらい軽いです。_w
trk1 : I'm Yours - Jason Mraz 『We Sing, We Dance, We Steal Things』
trk2 : Realize - Colbie Calliat 『Coco』
trk3 : On The Run - Justin Young 『All Attached』
trk4 : Good as Gold - Bejamin Blake 『... if I had a time machine』
そして、一日の終わりは静かにfemale sswをしっとりと。_w
By Your Side - Amanda Baisinger 『Short Songs (EP)』
You Are There - Beth Fitchet Wood 『Sailo』

こんなレア盤の世界初CDもよく聴きました。
Matthew Larkin Cassell 『Pieces
DJミックスのレアグルーヴ♪として紹介されますが、西海岸SSWの自主制作アルバムとしても素晴らしい完成度でした。
MIchael Deacon 『Runnin' In The Meadow +4
ミネアポリス「サウンド80」で録音されたSSWマイケル・ディーコンの大名盤を韓国のBelle Terraが世界初CD化!ボートラに ♪「Candle in the Kitchen」収録も感激でした。
21: 天辰 保文  千葉県  59歳  http://members3.jcom.home.ne.jp/in-cahoots/
  スティーヴ・ウィンウッド 『ナイン・ライヴズ』
  ジェイコブ・ディラン 『シーイング・シングス』
  Loudon Wainwright III 『Strange Weirdos』
以上3枚になりました。ウィンウッドのは、緩やかなうねりをともなった波のような、彼らしい音楽でした。しかもその波は、懐かしさを運んできて新しさを残して去っていく、そういう感じが好きでした。ジェイコブの歌には、真摯な眼差しが強くあって、そこが好きでした。そして、ラウドンのは、一昨年のアルバムですが、昨年を通じてほとんど途絶えることなく聴きつづけたという点でここであげさせていただきました。

沢山のご応募、有難うございました。昨年は、ぼくの怠慢で中断してしまいましたが、こうやってみなさんからの「Best3」が集まると、やはり、続けなければと強く思います。
世界に目をやれば争い事が絶えず、身近なところでは不景気だと深刻な声が飛び交い、痛ましい事件が相次いでいて、何をこんなところで呑気なことを、と思われるかもしれませんが、ここはひとつ、音楽からなにを学んできたか、こういうときにこそ、誰にというわけではありませんが、我々凡人の個々の底力を見せつけながら、健やかに一年を過ごしていきましょう。
ご応募、有難うございました。また来年もやりましょうね。

(天辰)