そんなわけで、最近のご主人様はもっぱらテレビの釣り番組を見ながら、せっせと仕掛けを作ったり、丹念にリールの手入れをしたりして釣りに行ける日の楽しみに備えている。そんなご主人様の隣で、ぼくも釣り道具をながめているのが好きだ。危ないから、と近寄らせてはもらえないけれど、カラフルな浮きや仕掛けは見ているだけで楽しい。「ふぅん、魚くんはこういう仕掛けで釣られちゃうのかぁ・・・」 中でも釣り糸を交換する時がぼくは一番大好きだ。リールの糸を巻きとり、新しいのを巻きつけていく作業は、昔、おばあちゃんがやっていた毛糸を巻き取る作業に似ていて、ぼくはいてもたってもいられないほど興奮してしまう。とにかく細いもの、長いもの、こまかな動きをするもの・・・そういうものには弱いんだな、猫は。 そんなわけで、猫じゃらしで遊んでもらうのも大好きだ。目の前であれをちらつかされると、今にも寝ようかと思っている時だって、どんなに遊び疲れている時だって、無条件に体が反応してしまう。くやしいけど猫の習性っていうやつ。 猫じゃらし相手に奮闘するぼくの写真を撮るうちに、ご主人様は気付いた。あの、CMにもなってしまった人気者レッサーパンダの風太くんの‘立ちポーズ’まであと一歩じゃないか。「もしかするとリアムは立てるのかもしれないぞ!」 あれれ、ちょっと目の色が変わってきたみたい。まさか本気でぼくが立てるとは思ってないよね、ご主人様?! |
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(2005. 6) |