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天辰家の猫 リアムのひとりごと * その 3

リアム、いたずら中 PCを見つめるリアム

わが家に新しいパソコンがやってきた。今まで使っていたパソコンが壊れてしまい、新しく買い換えたらしい。

僕だってパソコンくらいは知っている。パタパタと音のする凸凹の台(キーボードというらしい)の上を、いちど僕も真似して歩いてみたらすごく怖い顔で怒られたので、最近は片手を置くくらいでやめている。あの台の上はほんのり暖かくなるので、あごを乗っけて昼寝するとほ~んと気持ちいいんだよなぁ。

ところでパソコンが来たその夜、ご主人様はいつもとは違う行動に出た。普段あまり見たことのない黒くて平べったい円盤のようなものをどこかから大事そうにひっぱり出してきて、これまた普段あまり使うことのないプレイヤーでかけ始めたんだ。音楽と一緒にパチパチという音が入る。「しばらくかけないでいると、どんどん悪くなるんだよ、音が。」心配そうに何度も針をチェックし、懐かしそうに目を細めて音楽に聴きいっている。

そのうちプレイヤーとパソコンを接続し、作業を始めた。どうやらパソコンにその円盤の音を録音しようというらしい。プレイヤーとパソコンの間を何度も行ったり来たり。失敗してはやり直し、また試してはやり直し。

もともとあまりパソコンが得意ではないご主人様。わが家では新しい機械をとりつけるたび、上よ下よと大騒ぎになる。この夜も4時間、いや、5時間以上、そうやっていただろうか。でも最後にはなんとか成功したらしく、見慣れたCDの形になったものを手に、ご主人様はご満悦の様子だ。

「さあ、これでアナログ盤を整理するぞぉ!」 気を吐いていたご主人様だけど、あの夜以来、億劫がって作業は進んでいない。やれやれ。倉庫に眠っている3万枚近いレコードたちが、めでたくパソコンにとりこまれる日は、いつになることやら。
(2004. 7)