Liam's Page

天辰家の猫 リアムのひとりごと * その 7

うたたねの最中、地震に起こされることがこの数週間に何度もあった。
大きな地震がすこし離れた新潟という地域で起こり、その余震が今も続いているせいだと、ご主人様は説明してくれた。被害は現地にいない者には想像できないほどで、人も動物たちも、不自由で心休まることのない、 きびしい生活を強いられているらしい。ぼくも心が痛む。

ぼくら猫は人間よりウン十倍も敏感に自然界の変化を察知する。だから真夜中のわずかな地面の揺れも、近づく台風の不穏な風の音も、遠くで鳴る雷も、部屋に侵入してきた虫のわずかな羽音も、ぼくのアンテナの耳は即座にキャッチし、まっさきに家族に異変を知らせにいくことになる。

ところがご主人様ときたら、そんなぼくを見るたび「リアム、びっくりしたか?お前も小心者だなぁ」と笑いながら頭をなで、ぼくが怖がっているんだと決めつけてしまう。
違うってば。むしろぼくはみんなの心配をしてるんだぞぉ。ぼくがそう訴えても、逆に「ほらほら、もう怖くないから」となだめられてしまう始末だ。やれやれ。

次々とやってきた台風に大きな地震・・・自然がちょっぴり怒っているのかな、と思える出来事が多かった今年。11月に入ってからは暑からず、寒からず、釣りには最適な気候が続いている。さぞや釣行記録も更新されることでしょう、と周りから言われながら 実はここ数週間、ご主人様はまったく釣りに出かけていない。

「各地で被害にあった人たちのことを考えると、のんきに釣りをする気にもなれないしな」とぽつり。ちょっぴり寂しそうに、釣竿も玄関に立てかけられたままだ。 でもしかたがない。自然相手の釣りだけに、そんな気分にもなるんだろう。

というわけで、今回もまた釣りの話になっちゃった。残念ながら釣果報告はできなかったけど、近々、その日が訪れてくれることを期待して、 ぼくの夕飯記録、今回はおあずけ、でした。
(2004. 11)