人間によれば、ぼくたち猫が「ネコ」と呼ばれるようになったのは、よく「眠る子」だからなんだそうだ。たしかにぼくは眠るのが大好き。 夏は、本棚の上の風の通り道で暑さをしのいでいたけれど、冬になり、ベランダに面した窓際のひだまりが、ぼくのお気に入りの指定席になった。そこに丸くなって座っていると、いつしかウトウト~、あっという間に半日、気づくと一日の大半を寝て過ごしていたなんてこともよくある。 突然、頭をコツンとやられて目が覚めた。またご主人様だ。 ぼくがすやすや寝ていると、あまりにも気持ちよさそうで起こしたくなるんだという。というか、起こされたあとのねぼけ顔が笑えるとか言って、一日に何度も起こされる。 仕事がはかどらなくて、眠る間も惜しんで作業をしている時は、突然やってきて 「リアム、ひとりだけ寝てるんじゃないぞ~」 と乱暴に揺さぶり起こすと、満足げに仕事場に戻っていく。そんな時は、しばらくご主人様につきあって起きるふりをしながら、ちゃっかりまた夢の続きに戻ることにしている。 突然、ぐっと重いものを体に感じて目がさめることもよくある。 気づくとぼくは枕にされている。「冬は、お前は暖かくていいなぁ~、リアム」 ソファに横になったご主人様の下敷きにされて、ちょっと苦しい。でも、がまん、がまん。ご主人様はこれが大好きなんだ。 そんな風に昼をずっと寝て過ごすから、当然、夜は元気いっぱい。昼と夜が逆転した生活を送っているご主人様にも負けない「夜型ネコ」になってしまったぼくだ。 他の家族が寝静まったあとは、仕事部屋から漏れる音楽と明かりを横目に、ご主人様の仕事が終わるのを待ち続ける。深夜過ぎ、遅い夜食をとるご主人様につきあってぼくも夜食を。その日の出来事、天気の話、最近の世の中のこと ・・・ いろんな話をする。 そして明け方近く、新聞が配達される音と入れかえに、ご主人様はようやくベッドに入る。でも、昼間、何度も起こされた仕返しだ。 すぐには眠らせないぞ ・・・ 。 |
(2004. 12) |