1 赤谷 隆一 世田谷区 68歳
1. パール・ジャム 『ダーク・マター』
タイトルがスぺイシーで怪しんでいたのですがFMで聴いてかなりハードで奥行きが深い音で納得。しかし、CDを手にして自分は走らされているんだ、と歌われる曲もあり再び考え込みました。タフでガッツなエディ・ヴェダーと疾走する音像は今までに増して素晴らしい。彼らも時代の影と戦っていると思いました。
2. ザ・キュアー 『Songs of a Lost World』
16年ぶりのNewアルバム。バックのシンセと残響ギターはこれも時代の影の音のよう。でも彼らによく言われる<暗く退廃的>には聞こえません。むしろ最後に希望があるような余韻が感じられました。日本盤がまだ出てないので輸入盤で購入しました。
3. はっぴいえんど 『HAPPY END』 2023年リマスター盤
2023年に出ましたが今年聴いたのですみません。今更の彼らのサードで最後のオリジナル。驚いたのは1st、2ndよりも現在聴いても十分にみずみずしく聞こえました。更に驚いたのはボーナストラックで吉野金次さんのMixの2曲、霞がかかっていたギターとドラムはクリアーに聞こえて解散が決まった後の一抹の淋しさが漂っていた雰囲気から、もっと前向きにこれからも発展していくような感じでした。1973年9月21日高校を自主早退して観に行った文京公会堂での忘れ難い演奏を思い出しました。一緒に行った友人はもういません。あのライブはちょうど50年前だったんだ…。
ベストMVはクラプトン&ベックのアニメの「ムーンリヴァー」、ベストライブはようやく観ることの出来たタワー・オブ・パワー、ベスト音楽映画は「ボビー・チャールズ 極楽の歌」、これから読もうとしている本は「ザ・バンド来るべきロック」と「人生と時代とストーンズ」、これから観ようとしている映画はクラプトンのクロスロードフェス‘23とディラン題材の2本。
抗えない自然の力、抗えそうで抗えない今だ戦争の数々、大変な2024年でしたがともかく音楽を聴ける立場の幸福に感謝して、おこがましくも世界の人々の平和な暮らしを祈ります。皆さんどうぞお元気で!
2 石川 浩雄 茅ヶ崎市 64歳
* Jo Harrop 『The Path Of A Tear』
萩原健太さんが紹介してて知った初めてのシンガー。ヴィンテージ感のあるシャーデーを彷彿させる才女。
* Catbug 『Musjemeesje』
ディスクユニオンのサイトで知ったベルギーのキャットバグことポーリンロンドウのたぶんセカンド 。テニスコーツのさやさんを連想する素敵なフォークエレクトロニカ。
* John Douglas 『John Douglas』
トラッシュキャンシナトラズのメンバーで確かエディリーダーの旦那のソロ。曲も声も演奏もとても惹かれる。
3 伊東 潔 我孫子市 69歳
1. Chappell Roan 『The Rise And Fall Of Midwest Princess』
2. St.Vincent 『All Born Screaming』
3. 棚木竜介と図書館 『BAUM』
(以上順位はありません)
あくまでも私の耳に入った音楽からの選択ですごく偏った3枚です。一枚ずつキーワードをつければ、1はポップ、2はアーティスティックかつスタイリッシュ、3は懐かしさ、になるだろうか。
チャペル・ローンのこのアルバムは、2023年リリースながら、2024年に入ってアルバムの中の数曲が人気を集めて、コーチェラ他のフェスにも引っ張りだこになる2024年のアメリカのポップス界の顔になりました。シンディ・ローパー他の音楽の影響を感じながらも今年も目を離せない歌手のひとり。
セイント・ヴィンセント。遅まきながら、このアルバムで初対面(デヴィッド・バーンとのコラボ・アルバムで名前程度は承知していた)。美術家のロバート・ロンゴの作品の影響を感じる「Broken Man」他、スタイリッシュかつアーティスティックな印象を受ける面他、刺激的なアルバムでした。
棚木竜介と図書館。東京をベースにしているインディーズのバンド。SSWの棚木竜介とギター・キーボード+ベース+ドラムスの図書館。「黄昏」「かなで」など、どこかエイティーズ他の懐かしさを感じさせる音を潜ませ、棚木の歌唱のほのぼの感が私のような洋楽好きにも心地よい。
あと、配信で耳にした Lady Gaga、Bruno Mars「Die With A Smile」、Tink、Summer Walker「Songs About U」、日本のインディーズのバンドの Nagakumo の「スウィート・スペース」、Clairo「Juna」、Gwen Stefani、Blake Shelton 「Purple Irises」等もワタシのヘビロテだった。
ライブでは James Taylor のライブが見ることができてしあわせでした。また、毎年恒例の山下達郎、前述のインディーズのバンドの Nagakumo、ビューティフルハミングバード、The Wisely Brothers 等のライブに足を運びました。
4 恵本 俊文 北海道
1. Ett、泊、ふちがみとふなと 『大きな蔵、小さいうた』
千葉県香取市佐原地区にある蔵で録音された、愛すべき歌たち。古かったり新しかったり、曲はさまざまですが、どれも心に響きます。
2. moon bird 『Old Lullaby』
着実な歩みを続けるビューティフルハミングバードとtico moon による、新たなプロジェクト。ボーカル、ギター、ハープ、ギターの4人の良さがあふれた7インチ盤。
3. soraya 『soraya』
ジャズの新星、ピアノとウッドベース&ボーカル二人によるユニットは、ジャズではなく、どこか浮遊感あるポップスといった趣。BGMに良し、じっくり聴いて良し。
5 川勝 敏弘 群馬県 66歳
1. ミルトン・ナシメント&エスペランサ・スポルディング 『ミルトン+エスペランサ』
2. マデリン・ペルー 『レッツ・ウォーク』
3. Little Feat 『Sam’s Place』
2024年リリースの新作の中でよく聴いたのがこの3枚カタカナ表記は日本盤、英字は輸入盤です。
1. 8月の朝によく聴いたのがブラジル音楽の代表的アーティストのミルトン・ナシメントとジャズ・ベーシスト / シンガー・ソングライターのエスペランサ・スポルディングのコラボ作品。
2. 6年ぶりとなる作品で毎回カヴァーする曲が話題になってましたが今回は全曲オリジナルですね。
3. 12年ぶりとなるスタジオ・アルバム『サムズ・プレイス』はコンガ担当のサム・クレイトンのヴォーカルをフューチャーしたブルーズ・アルバムでなかなかのクオリティでした。
未発表音源集は Dan Penn『The Inside Track On Bobby Purify』、New Riders of the Purple Sage の1976年ライヴ、ニール・ヤング& クレイジー・ホース『アーリー・デイズ』、ドクター・ジョンのアトコ/アトランティック時代のシングル集、ソロ・ピアノ・シリーズ『フランキー&ジョニー』など。
アニヴァーサリー / 再発ものは Grateful Dead『From The Mars Hotel』、Little Feat『Feats Don’t Fail Me Now』、Tom Petty & The Heartbreakers『Long After Dark (deluxe edition)』、CSN&Y『ライヴ・アット・フィルモア・イースト1969』、David Wiffen『Timeless Songs – Unreleased Stage & Studio Recordings』。
BOXものはラスカルズ ジョニ・ミッチェル、ブルー・マジックなど。今年最大の収穫は11月のレコード・ストア・デイでのジェシ・エド・デイヴィス、年末にタワレコのポイントを目一杯注ぎ込んだディラン&バンドの27枚組。
2024年も相変わらず新作より70年代の再発ものが多く歳と共にこの時代の音楽が一番しっくり来ますね。まだまだ景気不安定で先も見えない状況ですが好きなアルバムが光明を見出してくれましたよ。
6 キーノ(こと木下康之) 東京都 66歳 https://blog.goo.ne.jp/kino1958
- 新譜編 -
1. Bonny Light Horseman 『Keep Me On Your Mind / See You Free』
一時的なユニットではなく、順調に3枚目がリリースされた事は喜ばしい。前作も2022年の1位としたが、Anais MitchellとEric D. Johnson のツイン・ボーカルが素晴らしい!高音部でのぶつかり合いがスリリングです。Josh Kaufman がコントロールするサウンド・プロデュースが、最高のフォーキー・サウンドへと昇華させる。フォーク・トリオとしてはPPMと形態は一緒だが、インディー・ロックのフィルターを通した硬質の音は真に現代の音楽だ。
2. Ray Lamontagne 『Long Way Home』
音数を減らしロック度を下げたフォーキーな演奏は、前作を踏襲していて好感が持てる。若き日の Van Morrisonを思わせる歌いっぷりには、耳が惹きつけられるというもの。一度観たオースティンのフェスで、夕日に向かって吼えるように歌う姿が思い出される。
3. The Secret Sisters 『Mind, Man, Medicine』
前二作を1位として来たが、今回は3位だが1位にしても良い位に本作も清々しい彼女たちのハーモニーが聴ける。カントリー風味の女 Everly Bro.と捉えていた彼女たちであるが、世話になった Brandi Carlile 的な音も聴こえてくるのは前進の証か。共作もあるが、全曲彼女たちのオリジナル。そしてマッスル・ショールズ出身の彼女たちにとって、殆どの曲をフェイムで録音した事は喜びだろう。「All The Ways」では、Ray Lamontagne が声を重ねる。素晴らしい!
- 再発・発掘編 -
1. Watchhouse 『Austin City Limits Live At The Moody Theater』
2. Roger McGuinn, Chris Hillman With Marty Stuart & His Fabulous Superlatives 『Celebrate The 50th Anniversary Of Sweetheart Of The Rodeo』
3. Glen Campbell 『Duet : Ghost On The Canvas Sessions』
1 は2021年にMandolin Orangeから唐突にグループ名の変更がアナウンスされ、8月にアルバムがリリースされた。本作は2020年1月23日にオースティンの名高い番組出演の際にシューティングされたものであり、当然旧名での出演だったはず。名前は変われども Andrew Marlin と Emily Frantz の夫婦もののフォーキー・サウンドは変わることなく今も続いている。男女デュオだと往々にして女性ボーカルに惹かれるのだが、彼らは珍しく朴訥なAndrewの歌声に胸が熱くなる。彼の弾くマンドリンも素敵だ。ここでのライブはギター、ベース、ドラムスのサポートが、彼らの音楽に厚みを持たせているのがとても良いのです。
2 は2018年に行われた『ロデオの恋人』50周年記念ツアーのライブ盤。Chris のサイトにあり、オフィシャル認識して購入。ナッシュヴィルで観た!自分のレビューを読みながら聴くと、Marty 達だけの演奏や Tom Petty の3曲(「American Girl」、『Wildflowers」、「Runnin’ Down A Dream」)など収録されていないものもあるのに気づく。収録時間も含めての Byrds 縛りか?ジャケに10月8日のバックステージ・パスの写真があり、ワタシの行ったナッシュヴィル録音と勝手に思ってます。遅れて来たスーベニアだ!
3 は2011年の『Ghost On The Canvas』の全16曲からインストを除いた10曲と2015年のサントラ『I’ll Be Me』からの「I’m Not Gonna Miss You」、「The Long Walk Home」の2曲を加えた全12曲をデュエットとして再編集したもの。ゲストそれぞれが Glenと声を分かち合い、楽曲に新たなる息吹を与えているのがとっても素敵です。ライナーにはゲスト12組からの愛あるコメントも掲載されている。2017年に彼は亡くなったが、こういった墓掘りは歓迎致します。
7 齋藤 皓太 千葉県 70歳
今年は寂しい年で、3枚選ぶのがやっとでした。
1. Mark Knopfler 『One Deep River』
心豊かにさせてくれる一作。特に後半は捨て曲なし。
2. Fastball 『Sonic Ranch』
昨年に続き好調を維持。凄い曲はないが打率高い。
3. Lucinda Williams 『Sings The Beatles』
ジュークボックスシリーズの7枚目。普通に唄っているが、バックのギターが相変わらず良い。
むしろ最大の収穫はニール・ヤングのアーカイブス3。『ジョニーズ アイランド』なんて存在すら知らないアルバムが聴けたのは嬉しかった。CSNYの『1969 フィルモア』も手探りの緊張感が悪くない。
8 齋藤 楽紘 西東京市 59歳
1. Keith Jarrett 『The Melody At Night With You』
2. Julian Lage 『Speak To Me』
3. ミッキー・カーチス 『面影ノスタルジア』
2024年も公私共に大変な年だった。還暦まであと数か月。2025年は、どんな状況でも笑顔を忘れずに残された時間を惜しまず精一杯楽しんで生きることを掲げたい。いい音楽との出会いは、こころのカンフル剤。キース・ジャレットのこのアルバムにどれだけ救われたか。音楽の大切さをあらためて感じている。
9 坂下 栄一 東京都江戸川区 67歳
* John Cowan 『Fiction』
前作の『Sixty』を愛聴し、新譜が出ることをネットで知り今作も聞き入っています。Bekka Bramlett がクレジットされています。
* MJ Lenderman 『Manning Fireworks』
古いアーティストばかり聴いていると新しい人を受け付けなくなるのが嫌で、耳に馴染みやすく入ってきた、まだ24才のこの人にハマっていました。
* Jason Isbell And The 400 Unit 『Live From The Ryman, Vol. 2』
まさか Vol.2 が出るとは。Tom Petty のナンバーも演っています。The 400 Unit を連れての来日を待っています。
10 笹野 恒夫 神奈川県 70歳 http://cypressave.d.dooo.jp
* The Fraternal Order Of The All 『Greetings From Planet Love』(2023)
* Susanna Hoffs 『The Lost Record』(2024)
* Iain Matthews 『How Much Is Enough』(2024)
待ちに待った Sadistic Mika Band 『Perfect! Menu』も、素晴らしい内容でした。
11 柴田 廣次 (Long Distance Love 代表)
1. Steely Dan 『The Lost Gaucho』
最近 Spotifyを利用する機会が多く、ちょっと気になるくらいではCD/アナログを買うことがめっきり減りましたなので配信されてない音源としていわゆるブートレッグに手を出してしまうこともしばしば。今では正規盤並の音質のブートもありますが、この Steely Dan はまさにそれ!!『Aja』のプレッシャーに苦しんだと言われる彼らの80年代最初の生々しい音楽が記録されています。
2. Bobby Charles 『Homemade Songs』『Secrets Of The Hearts』
年末に限定公開された彼のドキュメンタリー映画が残念ながら期待外れだったので、あらためて家にあった2枚のCDを聴き返したら、やっぱり良いんですよね。ちょっと聴いただけだとシンプルというか、単調な(似たような)曲が多いですが、やはり奥が深い!マック・レベナックとソニー・ランドリスがホントに良い仕事してます。
3. Joni Mitchell 『Archives – Volume 4』
正直『Volume 3』の方が良く聴いてますが(特に with Neil Young)、この頃の Joni の先鋭的な音楽は今聴いても、いつも先を行ってる気がします。
4. Bob Dylan and The Band 『The 1974 Live Recordings』
実は、まだ Disc1&2 しか聴けていません。正直残り25枚も聴き通せるか自信はありません。でもこれは買って手元に置いておくことが重要と考えるようにしています。
12 清水 伸充 神奈川県 71歳
1. Neil Young 『Archives Vol. III – Across The Water』
Neil Young は、心の安らぎ です。
2. Joni Mitchell 『Archives – Volume 4: The Asylum Years (1976-1980)』
A Case of You 1975 が、幸せ… ~♬~
3. Pink Floyd 『Wish You Were Here』
Neil Young ばかり 聴き過ぎると、Pink Floyd ばかり 聴く事になる。次はきっと Jackson Browne を 片っ端から聴くでしょう。
13 高橋 俊博 東京都 62歳 https://twitter.com/heartbreakersjp
* Tom Petty and the Heartbreakers 『Long After Dark(Deluxe Edition)』(2024)
MCA Records 在籍時のアルバムとしては2010年の『Damn The Torpedoes(Deluxe Edition)』以来の拡大版。このアルバムは名曲・佳曲揃いでしたがセールス的に伸び悩み、音的にもパッとしませんでしたが、新たにリマスターされたことにより聞きにくかったギターの音の細かい重ねなどの分離が良くなり、彼らが勢いのまま突っ走るのではなく、本当に細部までこだわって音楽制作をしていたことがあらためてわかりました。
ファンとしてはこういうリリースは大歓迎なのですが、クレジット類が貧相で脆弱なのは改善してもらいたい。それに加えて色違いの限定アナログ盤を複数を売り出すなどして購買意欲を掻き立てて<集金>しようとする姿勢にも疑問が。遺産管理団体<Tom Petty Estate>には一考を求めたい。
TP&HBの日本盤ライナーといえば天辰さんが一番多く書かれています。スタジオ作、ライヴ盤、ベスト盤、ボックスセットなど8作品を手掛けましたが、1982年に発売された本作が一番最初でした。当時は天辰さんが書いた文章を、それこそ一字一句漏らすまいと真剣に読んでいました。今回のリリースはそんな昔のことも思いださせてくれました。感謝。
* Crosby Stills Nash & Young 『Live at Fillmore East, 1969』(2024)
冒頭の「Suite: Judy Blue Eyes」から最後の「Find the Cost of Freedom」まで、息をするのも忘れるくらいに集中して聞いてしまいました。CSN&Yとして絶頂期のライヴ音源なので悪いわけがありません。リラックスした雰囲気の中にも適度な緊張感があり、4人の<個>を尊重したグループとしてのつながりが感じられ、その場の様子をあれやこれやと想像してしまいました。
ただ、StillsとYoungの2人が組んだ時にたまにあることなのですが、今回も自分たちの思うように音をいじってしまって、特に Stills のヴォーカルを大きめにミックスしてしまったためハーモニーの妙がなくなり<Stephen Stills and Crosby Nash>になってしまっていたのが残念で仕方ないです。そんな苦情を言いながらも、昨年の10月にロサンゼルスに行った際に、このアルバムのミックスが Sunset Sound Recorders で行われたのを知っていたので外観を拝んできました。ミーハー根性丸出しです。
* Jessi Collins 『When I Said It Was True』(2024)
完全にジャケ写に惹かれて手に取りました(苦笑)。インターネットで経歴を探したのですが、同名の女性歌手ばかりが出てきて本人のものを見つけることはできませんでした。わかったことはイギリス出身のカントリーシンガーのようで<Soundcloud>に曲をアップしたり、音楽配信代行サービス<Ditto>を通じて音源の配信をしているようです。
ジャケ写から勝手に可愛いポップカントリーなのかと思って聞き始めましたが<ど直球なピュアカントリー>の歌い方に驚かされました。90年代後半に Sara Evans を聞いた時にも同じような感想を持ちましたが、最近のナッシュヴィルから届けられるカントリーより、少し懐かしい昔の香りがする、そんなアルバムでした。願わくばインディー、もしくは大きなレーベルに彼女を拾ってもらい活躍の場を広げてもらいたいたい、そんな風に思わせる期待値の高いシンガーです。
14 Tak.“SPIKE” 岡山県 62歳
今年は女性SSWの3枚を選びました。いずれもアメリカーナの香りがいっぱいの気持ちよいレコードでした。
* Waxahatchee 『Tigers Blood』
* Hurray For The Riff Raff 『The Past Is Still Alive』
* Madi Diaz 『Weird Faith』
企画ものも3枚。個人的に思い入れの深いアーティストの作品なので、クオリティはベストとは言えないかも、ですが…
* Texas & Spooner Oldham 『The Muscleshoals Sessions』
* Glen Campbell 『Duet : Ghost On The Canvas Sessions』
* Jeb Loy Nichols / Jennifer Carr 『Shadow On The Day』
その他、Nick Lowe、Fairground Attraction、Iron & Wine、The Avett Brothers、Lemon Twigs、Graham Gouldman、Secret Sisters、Phosphorescent、T Bone Burnett、Bonny Lght Horseman などの2024年の新譜をよく聴きました。個人的に残念だったのは、Sarah Jarosz、Dawes、Diane Birch の3枚で、期待しすぎたために不完全燃焼でした。
2025年は、心穏やかに音楽を楽しむことのできる日が1日でも多く訪れることを願って…
15 田中 一也 京都府 57歳
1. Fairground Attraction 『Beautiful Happening』
解散から34年、1stにして唯一のアルバム発表から36年を経て、まさかの再結成とこの新作の発表、さらには再来日公演に立ち会うことも叶いました。ライブではエディの歌い出しと共にエディもファンも一瞬にして1988年にタイムスリップし涙・涙 … 奇跡的な再会を一緒に喜び、祝い、楽しみました。アルバムの内容は歌うことの喜びや再開の喜びに溢れ、1stに勝るとも劣らないものとなりました。
2. Nick Lowe 『Indoor Safari』
約11年ぶりに発表された新作アルバムはお馴染みの Los Straitjackets とのコラボ。75歳にしてロッキンでゴキゲンな Nick 節が堪能できます。日本中のファンが再来日を待っています。
3. Pernice Brothers 『Who Will You Believe』
甘酸っぱいメロディは昔のまま、でも人生の色々な経験がにじみ出るかのように加わったアルバムです。ジョー・パーニスさん、最近はどうしてるのかな?って、折に触れて思い出す同い年の大切な友人のようなミュージシャンです。
さらには Richard Thompson『Ship To Shore』、High Llamas『Hey Panda』、Milton+Esperanza『Milton+Esperanza』、Arooj Aftab『Night Reign』、Vampire Weekend『Only God Was Above Us』、Niel Young & Crazy Horse『Fu##in’ Up』、Nick Cave & The Bad Seeds『Wild God』 … など素晴らしい作品ばかり。
手術を受けてから2年と10か月が過ぎ、仕事も病気以前の75%ぐらいをキープしながら、普通に生活できていることに感謝。妻、家族、友人、仕事場の仲間たち、SNS上の友達みなさんに感謝。生活していく上では日々課題はありますが、なんとか前進。音楽の感じ方も以前と段々と違ってきて、一つ一つをより喜びをもって味わうようになった気がしています。上記10作以外にもたくさん素晴らしいアルバムと出会うことができました。今年も音楽に感謝。
16 田邊 弘一 北海道 62歳
* My Darling Clementine 『Country Darkness』
Elvis Costello の曲を完全に自分達の曲として昇華しつつ、原曲の味わい深さを再認識させてくれました。北海道鶴居村のロッジ Hickory Wind で聴いた彼らのマイクやアンプ無しのライブは、忘れられない体験でした。
* Arooj Aftab 『Night Reign』
夜の深さや広がりを感じ、目が慣れると、灯り無しでも、夜の中を歩けそうな気がする、そんな音楽です。天辰さんのFacebookと北海道新聞のコラムで知って、夏の夜によく聴きました。今まで聞いたことのないタイプの音楽で、はまりました。
* Norah Jones 『Visions』
いつもより楽しく懐かしい印象で大好きです。このアルバムを中心にしたコンサートを聴いてみたいです。
このほかに、
Elvis Costello『King Of America & Other Realms』 My Darling Clementine と併せて愛聴しました。
CSN&Y『Live At Fillmore East, 1969』 David Crosby を偲んで、よく聴きました。
17 Nao Yamamoto Toronto, Canada 44歳
* Hurray For The Riff Raff 『The Past Is Still Alive』
* Sierra Ferrell 『Trail Of Flowers』
* Rick White & The Sadies 『Rick White & The Sadies』
2024年のアルバムリリースの中でも、Hurray For The Riff Raff の『The Past Is Still Alive』、Sierra Ferrell の『Trail Of Flowers』、そして Rick White and The Sadies の『Rick White & The Sadies』は、それぞれ独自の音楽的挑戦を見せつつ、リスナーを魅了する傑作。
Hurray For The Riff Raff は、フォークとエレクトロニカを融合させた新境地を開拓し、過去の記憶と向き合う深いテーマを表現。一方、Sierra Ferrell は幻想的なカントリーの世界で自由と自然を讃える詩情を描き出した。そして、Rick White and The Sadies はサイケデリックとルーツミュージックを融合させた重厚なサウンドスケープで、カナダ音楽の新たな可能性を提示した。
これら3枚のアルバムは、伝統と革新を絶妙に織り交ぜながら、それぞれのアーティストの進化と個性を存分に堪能できる内容だと思う。
他にも Gillian Welch & David Rawlings『Woodland』、Bonny Light Horseman『Keep Me On Your Mind / See You Free』もよく聴いたが、もう一枚あげるとしたら11月の Record Store Day に発売された Jesse Ed Davis『Tomorrow May Not Be Your Day』(The Unissued ATCO Recordings 1970-1971)。彼の卓越したギターワークとソウルフルな歌声は、録音から半世紀を経ても色褪せることなく、購入できたリスナーに深い感動をもたらしたことだろう。これらのアルバムは音楽が持つ時間やジャンルを超えた力を存分に感じさせる名作揃いだ。
18 ナシゴレン NOAH 東京・浅草 61歳 https://atlasrecords.tokyo
- 日本編 -
1. THE HillAndon 『平成ヒッピー』
京都発のこのバンドを何とか世に広めたい、ステージは誰にも真似出来ない揺れ具合が心地よい.令和の時代にこの一撃。
2. The Tiger 『Get Ready』
金町が産んだぶっとい音を聞け、りんが叫びタイガが畝る、この国のロックの未来は任せた。
3. 仲井戸麗市 『Experience』
10年振りに届いたチャボさんからの手紙は懐かしくも新しい紛れもなく仲井戸麗市の今がそこにある、バンドの姿がライヴよりくっきりと表す。まさにロックの至宝なアルバムだ。
番外 4. Diamond Shake 『ロックンロール黄金狂時代』
どうしてこんなにロックンロールって、バンドって楽しいいんだろう?
- 洋楽編 -
1. The Rolling Stones 『Welcome to Shepherd’s Bush』
またまた彼らから届いたアーカイブは、ほんの25年も前の軌跡、まだまだ転がり続ける。
2. Bob Dylan and The Band 『The 1974 Live Recordings』
ついにというか、ようやく姿を見せた伝説はやはり予想以上の力みなぎる、そこに飛び込みたい。
3. Faces 『Faces at the BBC』
今までの部分的がようやく全容が見れた、やはりライヴが最高な奴らです。
- Rock 映画編 -
1. Bobby Charles 極楽の歌
恵比寿の最終日、クリスマスの翌日。生ビール飲んだら極楽でした。
2. リバイバル69 伝説のロックフェス
渋谷でみた John、トロントの裏側に度肝を抜いた日。
3. セッションマン ニッキーホプキンス
吉祥寺でみたニック、彼こそローリングストーンズの、ロックンロールのキーボードだ。
- 番外編 -
* ナシゴレンNOAH 『My 60th Blues』
今年60を記念して歌ったのを kyon さんが最高の料理をしてくれました。
19 百間 新潟県 47歳 https://twitter.com/hyakuken
1. ClariS 『Iris』
2. ClariS 『Autumn Tracks-秋のうた-』
3. ClariS 『Single Best 2nd』
1は女性歌手二人組の2年振り7thオリジナルアルバム。「虹」をテーマに多彩な12曲が織りなす世界に刻まれた歌声から伝わる、凛々しくも可憐で熱い、真っ直ぐな優しさと爽やかな風情湛えた、万華鏡のように煌めく七色の魅力に胸ときめかせました。
2は女性歌手二人組の「秋」をテーマにしたミニアルバム。8年かけて春夏冬と四季を歌った完結編。切なくも美しい紅葉色の輝き湛えたオリジナル1曲、先人への敬意を彼女たち自身の道程に重ねたカバー4曲の情感溢れる歌声に魂震えました。
3は女性歌手二人組のベストアルバム。アニメ作品等の主題歌担い物語に寄り添い、多様な楽曲と向き合いながら歌い手として飛躍遂げた9年の足跡辿る17曲を経て、彼女たち自身の節目を締めくくるラスト2曲の清々しい余韻が心に沁みました。
以下次点(タイトル洋楽ABC順、邦楽50音順) Jaubi『A Sound Heart』、Fairground Attraction『Beautiful Happening』、PJ Morton『Cape Town To Cairo』、Faada Freddy『Golden Cages』、Jota.pe『Se o Meu Peito Fosse o Mundo』、青山なぎさ『解放』、あらかじめ決められた恋人たちへ『響鳴』、吾妻光良 & The Swinging Boppers『Sustainable Banquet』、堀江由衣『文学少女の歌集Ⅲ-文学少女と夜明けのバス停-』、紅龍『RADIO MANCHURIA』
10年振り2度目のメンバー卒業経て新体制で15年目に臨む ClariS の波乱万丈な道程に刻まれた素晴らしい新譜とステージ、音楽への情熱に心揺さぶられた一年でした。今年はライブや楽曲単位で音楽と向き合う日々が多く、じっくり腰を据えてアルバムと向き合う時間は少なめでしたが、それでも心に響く作品とのたくさんの出会いに恵まれました。今年でライブ通いは一段落した感はあり、2025年は旧譜も含めアルバムと向き合う時間を増やしたいと思います。
20 福田 秀貴 東京都 56歳
* 仲井戸麗市 『Experience』
* Joni Mitchell 『Archives, Vol. 4』
* Neil Young 『Archives Vol. III』
音楽自体はよく聴いた1年でしたが、新譜をあまり買っていないことに自分でも驚きました。
21 Blue 東京都 60歳 https://x.com/BlueSpiritBlues
1. 仲井戸麗市 『Experience』
仲井戸麗市、10年振りのオリジナル・アルバムは想像していた以上の充実作で、同タイトルを冠したライヴも素晴らしかった。
2. 高野寛 『Modern Vintage Future』
コロナ禍から今を感じさせてくれるセルフライナーノーツも音楽の一部になっていた高野寛のデビュー35周年記念作。
3. 矢野顕子×上原ひろみ 『Step Into Paradise -LIVE IN TOKYO-』
矢野顕子と上原ひろみのレコーディング・ライヴを収録した迫力のピアノ・セッション。
22 真紀 東京都
* Nick Lowe 『Indoor Safari』
* George Harrison 『Living in the Material World (50th Anniversary) (Super Deluxe)』
* 仲井戸麗市 『Experience』
2024年も Bob Dylan ばかり聴いていた1年でしたが、Nick Loweの『Indoor Safari』は心が躍りました。2025年こそ、Los Straitjackets と一緒に来日してほしいです。George は、Super Deluxe を思い切って買いました。一番のお目当ては 7inch。素晴らしかったです!大好きな George と The Band にこのような繋がりがあったなんて。CHABOは久々の新譜です。それだけで嬉しいのです。
23 増田和彦(ニャロメ) 千葉県 62歳
1. Bruce Springsteen 『Born in The USA 40周年日本独自企画盤』
僭越ながらファンの立場として、ライナーノートを書かせていただきました。85年の来日公演、あのときの感動と興奮を思い出しながら。
2. Father John Misty 『Mahashmahana』
壮大で美しい、恐ろしくドラマチックなオーケストレーションのタイトル曲は「巨大な火葬場」を意味するそうで、虚無感を歌っているのか?
3. Mark Knopfler 『One Deep River』
年齢を重ねて、どんどん渋く、地味だけど味わい深い作風になっていくマーク・ノップラー。Ahead of The Gameはマークらしさ全開の名曲。
24 松井 愼一 神奈川県 69歳
1. Neil Young 『Archives Vol. III(1976-1987)』
前2作に比べ、ニールの「迷い(?)」が感じられる時期の作品も含まれる今作ですが、改めて聴き直すと、彼が辿った「道筋」を再訪することが出来、気がつくと、CDを繰り返し聴いていました。
2. ジョニ・ミッチェル 『アーカイブス Vol. 4 : アサイラム・イヤーズ(1976-1980)』
今回のアーカイブスがカバーする年代は、苦手な時期という先入観もあり、「恐るオソル」聴き始めたものの、前2作に劣らず、やはり素晴らしい内容でした。彼女の歌心と誠実さが伝わってくる作品です。
3. Spanish Harlem Orchestra 『Swing Forever』
30歳代に駐在していた中南米諸国でいつも耳にしていたサルサに代表されるラテン音楽。たまたま中古で入手した彼等のアルバム『Across 110 St.』を聴き、その躍動感に驚きました。昨年リリースされた今作も、元気になれる作品です。
その他、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの『ライブ・アット・フィルモア・イースト1969』や、Van Morrison の『Live At Orangefield』を良く聴きました。ライブでは、何十年ぶりに James Taylor を聴けた(会えた)のが嬉しかった、そんな一年でした。
25 松波 宗義 八王子市 79歳
1. Dian Birch 『Bible Belt』(2009)
2. Tim Cashion 『Find Us On The Dial』(2015)
3. Dwayne Ford 『Needless Freaking』(1981)
今年もオールジャンルで1枚/日のペースで見境も無く買い漁りまくったのですが、ベスト3は悩む事なく、パッと思いついたままに挙げました。ダイアンは今年の新譜をBAR3614で聴かせて貰い初めて知ったのですが、新譜は高くて買えないので。今は我慢してデビュー盤を入手したら最高の内容でしたので、#1に挙げました。2、3は今年嵌っているAOR系の過去の名作をピックアップしました。
26 Mayumi Abe 東京都 https://heartbreakers.jp/archive/
* Tom Petty and the Heartbreakers 『Long After Dark(Deluxe Edition)』
残念ながら新譜が発表されることのないバンドのファンとしては、アーカイヴ作品が何よりの喜びです。未発表曲や未発表トラックというのは万人向けではありませんが、少しでも多くの人の耳と目に触れる機会が増えることを願うばかりです。
* The Wallflowers 『Bringing Down The Horse』
1996年発表の The Wallflowers セカンドアルバム。熱心なファン以外には忘れられた感のある彼らですが、2024年10月に初めてこのアルバムを丸ごと演奏するライヴをロサンゼルスで行いました。(あわせて『Long After Dark』もぶっ続けで全曲演奏してくれました。)ということで予習・復習でよく聴きましたが、生涯のBEST〇に入るほど好きなアルバムです。
27 丸山 由岐子 東京都 57歳
* 仲井戸麗市 『Experience』
待ちに待った10年ぶりの新作。CHABO BAND にゲストプレイヤー(土屋公平、新谷祥子、梅津和時、渡辺隆雄)を迎えて全20曲2枚組。チャボさん自身の体験が、時に切なく、時に生々しく、11月の CHABO BAND のステージと相まって本当に素晴らしかった。今年もバンド活動に期待したい。
* 佐野元春 『The Circle 30th Anniversary Edition』
1993年発表、The Heartland と最後の製作となったアルバムの30周年記念盤。1994年日本武道館まで駆け抜けた全国ツアーとバンドの解散、自分の青春、成長とも重ね合わせ、初公開ライブ映像と共に感慨深く見聴きした。なお現在進行形の元春の若き日の軌跡。
* Judee Sill 『Judee Sill』
1971年アサイラムから発表の1stアルバム。2024年3月、シルヴァー・クリケッツ(北中正和&天辰保文)@アナログ天国で紹介され、50年余を経て出逢えた歌姫。短い人生を生き抜いた確かな証。歌詞が美しく繊細、淋しげで歌声にも心惹かれる。音楽は永遠。
28 水口正裕 神奈川県 69歳
1. Caroline Shaw and So Percussion『Rectangles And Circumstance』
2. 土岐麻子『Lonley Ghost』
3. Original Cast Recording『Illinoise』
1. Apple Musicではオルタナティヴに分類されているキャロライン・ショウは分類不能の大きな振れ幅でクラシカルからポップスまでを飲み込むアーティスト。共演のソー・パーカッションもまた幅広いフィールドで活動する。この奔放な共演盤は、いつもデスク上に置いてあって2024年最も多く聴いたアルバム。
2. ソロ・デビュー20周年の今年は春に集大成的ベストが出たが、暮れにはこの新作をリリース。軽やかな音像の中に見え隠れする柔らかな感傷と覚醒。POP!
3. スフィアン・スティーヴンス 2005年の同名アルバムが舞台ミュージカル化され、ブロードウェイで上演。そのオリジナル・キャスト盤。トニー賞で振付賞を受賞したダンスが素晴らしかったが、音楽も単なる伴奏ではなく、スティーヴンスのオリジナルとはまた別の解放感を生みだしていて魅力的。
29 光実 保好 岡山県 60歳
サブスクで音楽を聴くことがますます主となりましたが新しい聴き方も楽しめるようになった1年でした。例えばメニュー中の「ここにも登場」という入り口から、これまでに好きなアーティストがフィーチャーされているアルバムを通じ、今まで知らずにいた新たなアーティストに出会うというワクワク体験ができる機会が増えました。ある意味、無限に広がる音楽という海に眠るダイヤモンドを掘る感覚をたくさん味わえました。今回は、そのような音楽の「数珠繋がり」で愛聴できたアルバムをあえて選んでみました。音楽は、線で繋がっている!
1. Scott Ramminger 『Do What Your Hear Says To』(2017)
New Orleansのバンドで昔から好きだった The Subdudes の中心メンバー、Tommy Malone 繋がりで見つけたアルバム。更には本アルバムの数曲でフィーチャーされている Bekka Bramlett(Delaney and Bonnie Bramlettの娘!)の歌に魅せられました。彼女の単独アルバムも聴きましたがまだ傑作をモノにできていないと感じます。いつか素晴らしいアルバムを届けてほしいものです。
2. Dan Knobler 『Friends Play My Son’s Favorite Songs, Vol. 1』(2022)
これまた大好きな Lake Street Dive の現メンバー Akie Bermiss を1曲フィーチャーしたアルバムとして発見。Bobby Charles の「I Must Be in a Good Place Now」や Joni Mitchell の「A Case of You」等をアルバムタイトルどおり敬愛する友人ミュージシャンをゲストに迎え、肩肘はらずにカバーしています。ちなみに、Lake Street Dive の『Good Together』(2024)も好アルバムでしたね。
3. Alejandro y Maria Laura 『Paracaídas』(2011)
愛しの Natalia Lafourcade(Mexico)→ Kevin Johansen (Argentine) の繋がりから更に掘り進んで辿り着いた、Peruのインディー・フォーク・デュオの1stアルバム。世界と人は、線で繋がっている!
なお、定「石」のベスト3ならば次のとおり。全体を通じてのナンバー1は、Father John Misty!!
Father John Misty 『Mahashmashana』 (2024)
Madeleine Peyroux 『Let’s Walk』 (2024)
Faye Webster 『Underdressed at the Symphony』 (2024)
30 森 陽馬 東京都 50歳
ニール・ヤングのアーカイヴ BOX 第3弾『Neil Young Archives Vol. III』。聴き所&見所が満載でしたね。この中から3曲選んでみました。
* Neil Young with Crazy Horse 「Southern Man」
17枚組CDの中でも、1976年初来日公演が収められているディスク1は繰り返し聴いてしまいますね。特に「Southern Man」は凄い!
* Neil Young & Nicolette Larson 「Alabama」
ニール・ヤングとニコレッタ・ラーソン、更にベン・キース、スプーナー・オールダム等が加わったバンドによる1977年11月10日 Union Hallでのライヴ音源。「Alabama」後半部分に、レーナード・スキナード「Sweet Home Alabama」を織り込む珍しいアレンジに驚き!
* Neil Young 「One Of These Days」 (1987)
1987年録音の完全未発表デモ音源で構成されているディスク『Summer Songs』より。1992年発表アルバム『Harvest Moon』に収録されている名曲「One Of These Days」のピアノ弾き語り音源。僕もこの曲の歌詞が沁みる年齢になりました。
31 若松 隆 埼玉県
1. ボブ・ディラン&ザ・バンド 『偉大なる復活:1974年の記録』
2. ニール・ヤング 『ニール・ヤング・アーカイヴズ Vol. III:1976〜1987』
3. 仲井戸麗市 『Experience』
新作ではありませんが、ボブ・ディランは27CD、ニール・ヤングは17CD+5Blu-rayというボリュームで、どちらもとても聞きごたえがあり、今年一年楽しませてくれました。仲井戸麗市『Experience』は久しぶりの新作アルバム。年末に発売されたばかりですが、「年月の収穫」を感じさせる充実した内容で、ずっと聞き続けています。
32 渡辺 真也 神奈川県 70歳
春 Neil Young 『Neil Young』 1969年作
余り語られないデヴュー作ですがNeilの音楽は既に出来上がっていたと感じます。自分がロックに本気モードにさせてくれたうちの一枚です。改めて聞き直すと思い出にしとくにはもったいなさすぎると思いました。特にA面1曲目の「The Emperor of Wyoming」毎年毎年聴いてるのにグーのねも今年もでませんでした。
夏 Bill Evans Trio 『Waltz for Debby』 1961年作
2ヶ月の入院の際。どれだけ癒され気持ちが少しは楽になったことか。「名盤」は嘘をつきませんでした。
秋 Jesse Ed Davis 『Tomorrow May Not Be Your Day』 1970-1971年録音
Jesse のATCO期の全未発表曲集。L P2枚組レコードのカラーはブルー。「Washita Love Child」の別バージョン。「ULULU」のインスト・バージョン。Gram Parsonsも歌ったあの曲。Dylanもある。等々。Jesseが一番良かったあの頃が形を変えて蘇ってきました。どこから針を落としても金太郎飴みたいに楽しめました。全世界1500部限定というのも世界中の1500人の方達とこのアルバムを共有できてなにかほっこりした気分になりました。
冬 Bobby Charles 『Better Days』 1971年1974年録音
Facebook友達の川勝さんのご好意でくださった一枚。以前から聴きたかったです。去年は映画も大好評で一躍時の人となった感のある Charles 。幻の2ndからの13曲。1stからのアウト・テイクと盛り沢山でした。The Last Waltz の折 Robbie Robertson が “Great Great Song Writer”と紹介してましたが付け加えるなら Great Singer だと思います。これ程にマイ・ペースな musician もそうはいないなと感じる一枚でした。
番外編 New Comer として、ここ10年間で動向に期待している musician を思いつくままに挙げてみたいと思います。次の時代を託します。The Saxophones、Alice Phoebe Lou、Molly Burch、Molly Tuttle、Nora Brown、I’m With Her
33 渡邉 雅哉 支部:鳥取県/本部:愛知県 64歳
1. Alan Pasqua 『My New Old Friend』 2005年リリース/CD
何年も前、高齢につき引退されたジャズ喫茶のマスターがたまたまかけた一枚。マスターはチカラの衰えとともに年々スピーカーを小さくしていき、CDも厳選され、アナログ盤はあるけれどかけない。このアルバムはサブスクから選んでかけておられました。いまや廃盤でそこそこ高いのですが、2024年末に大英断、入手しました。Wichita Lineman 収録。
2. Neil Young & Crazy Horse 『Fu##in’ Up』 2024年リリース/アナログ盤
邦題『傷だらけの栄光(Ragged Glory)』1990年リリース、というアルバムはリリース当時、何度も何度も繰り返し聴いたので、今アルバムはとても大切に思えました。その『傷だらけの栄光』のほぼ全曲を2023年、カナダでライブ収録したとのことです。曲目はタイトルを変えていてさすが変わったことをするなあと思いました。
3. Lowell George 『Thanks, I’ll Eat It Here (Deluxe Edition)』<RECORD STORE DAY 対象商品> 2024年リリース/アナログ盤
この限定盤はなぜか高くって勘弁して欲しいほどです。針を落とすのがもったいなくて、まだろくに聴いていません。2025年は聴いてみようと思います!※Little Feat の『Sam’s Place』/アナログ盤から先に聴いています。
34 天辰 保文 千葉県 75歳
* Kris Kristofferson, Rita Coolidge 『Out Of Line (Live)』
* Father John Misty 『Mahashmashana』
* Laura Marling 『Patterns In Repeat』
次点
Milton Nascimento、esperanza spalding 『Milton + esperanza』
Bonny Light Horseman 『Keep Me On Your Mind / See You Free』
Arooj Aftab 『Night Reign』
Mark Knopfler 『One Deep River』
Christian Lee Hutson 『Paradise Pop. 10』
2024年のbest 3 は、以上3枚ということになります。ただし、クリス・クリストファスンとリタ・クーリッジのは、フィジカルでは発売されていません。しかも、ほとんどブートレグのような感じですが、一応、アルバム扱いされているし、クリスの味わい深い歌声が染み入り、彼の悲報後本当によく聴きました。次点として、ほとんど上記の3枚と変わらず印象に残った5枚も、あげておきます。あと、新作ではありませんが、買いそびれていて昨年手に入れたもので、ジョニー・キャッシュのアメリカン・レコーディング時代のCD5枚組『Cash Unearthed』もよく聴きました。ニール・ヤングの『Archives Vol. III (1976-1987)』、ジョニ・ミッチェルの『Archives – Volume 4: The Asylum Years (1976-1980)』、ボブ・ディランの『偉大なる復活: 1974年の記録 Bob Dylan And The Band / The 1974 Live Recordings』と、いわゆるアーカイヴシリーズにも心躍らされました。コンサートは、やはり、ジェイムス・テイラーでしょうか。ウィルコもね。
2024年、後期高齢者の仲間入りの年でもあり、いろんな再会の1年でもありました。期せずして、長い間ご無沙汰していたミュージシャンの方々との再会が重なったり、高校の同窓会をきっかけに中学、高校時代を一緒に過ごした友人たちとの再会も嬉しいものでした。殊に、中学生の頃、海外の音楽に夢中になり、多くの時間を共有した友人と55年ぶりに再会、酒を酌み交わしたひと時は忘れられないものになりました。それもこれも、互いに健康でいつづけたから実現できたことで、もちろん、長く生きていると、辛いこと、嫌なことにも数多くぶつかりますが、それを上回る喜びもあるんだと、この年齢になって初めて気づきました。これまで好き勝手に生きてきただけに、それのお返しというか、残された時間は大事に生きていこうなどと殊勝に思っているところですが、はてさてどうなるか。
2025年、油断のできない世の中ですが、健やかに乗り越えて、1年後にまたここでお会いしましょう!!!!
2025年 1月 天辰保文