1 赤谷 隆一 東京都(昨年インドより帰任) 67歳
* ピーター・ガブリエル 『i/o』
オリジナルアルバムとしては2002年ぶりでMIX違いのCD2枚組で印象的な曲群が同じ曲同士でもそれぞれ違った表情を見せて(MIXの1枚はあのチャド・ブレイク!)、非常に聴き応えがありました(3枚目の別のMIXもあるのですがそれはまだ未聴)。これまで観たライブの中でも白眉のひとつだった神宮球場の寒空の中の JAPAN AID での彼のライブが蘇りました。アルバム1枚から励まされた久々のもの。
* ローリング・ストーンズ 『ハックニー・ダイアモンズ』
これもオリジナルアルバムでは何年ぶりでしょう。チャーリー・ワッツが居なくともやっぱりストーンズ。全曲すぐにでもライブで出来る曲ばかり(勿論バックアップメンバーと一緒でですが、否定的な意味あいはありません)。チャーリー不在となって彼らもちょっと?と思っていたら、アルバム先行での2曲が素晴らしくてやっぱり手元で聴きたいとなった1枚でした。
* ウィルコ 『カズン』
これは間隔が短い1年ぶりのアルバム。ここのところのジェフ・トゥイーディは調子がいいんでしょうね、来日もするし(東京1回だけは少なすぎるよー)。彼らのアルバムには必ず希望がある曲があるから信じられる。自分もやっていくんだ、という気持ちになります、ありがとう。
サラリーマン生活では合計18年の海外勤務からようやく日本に戻ってきて定住できます。そういった中で励ましてくれた3枚でした。他にスティーヴ・ミラーの『ジョーカー』50周年記念アルバムやファミリーの『エニウェイ』などの再発盤も良かったです。あと日本で久方ぶりに観ることの出来たライブでですがジャクソン・ブラウン、リヴィングストン・テイラー、テデスキ・トラックス・バンドは凄く良かったです、ありがとう。
さて何はともあれ、広義な意味で自己中の人たちによる、世界各地において、身近な場においての横暴で勝手な振る舞いに対抗しつつ、これから自分の新たな生活スタイルを築いていかないと。皆さんもどうぞお元気で!
2 阿多 真人(DJ Boonzzy) 国分寺市 https://note.com/boonzzy
1. SZA 『SOS』 (Top Dawg / RCA)
2022年12月のリリース以来、とにかく自分だけでなく息子や娘たちも聴きまくったアルバム。SZAのハートに直接飛び込んでくるような歌声と、コンテンポラリーR&Bからトラップ・ポップ、更にはフィービー・ブリッジャーズとのインディポップ風まで自由自在に浮遊感満点な世界観を飛び回るグルーヴが最高なアルバムでした。久々のアメリカンR&Bの傑作です。(最近のR&Bの傑作はUK産が多かった。)
2. Zach Bryan 『Zach Bryan』 (Belting Bronco / Warner)
聴いた回数ではSZAに譲りましたが、ザック・ブライアンの登場は昨年来の自分にとっての大きな「事件」で、彼は去年の自分の「推し」でした。訥々としたアコギベースのシンプルなスタイルなのに、やっていることはコンテンポラリーなメッセージや内省に満ちていて、ハートランド・ロックの血脈をフォローしているのが、聴くごとに胸を打ちます。ケイシー・マスグレイヴスとの「I Remember Everything」ではクリス・クリストファーソンとリタ・クーリッジを思い出してしまいました。
3. boygenius 『The Record』 (Interscope)
これも去年、問答無用で最高だったアルバム。フィービー・ブリッジャーズとジュリアン・ベイカーは既に実績充分ですが、この2人がルーシー・ダカスと合体するととんでもない化学変化が起きる素晴らしさ。ポール・サイモンをトリビュートしたというジュリアン歌う「Cool About It」では「The Boxer」の本歌取りで先達へのリスペクトを感じる一方、グラミー賞 ROY ノミネートの「Not Strong Enough」でははつらつとしたインディフォークの素晴らしさを堪能させてくれたアルバム。グラミー賞受賞期待します。
上記も含めて、自分の年間アルバムトップ10をnote.comで発表してますのでこちらもご覧ください。
3 石川 浩雄 茅ヶ崎市 63歳
* Johanna Samuels 『Bystander』
偶然聞いて、ビンテージ感、アナログ感、CDですけど、凄く惹かれました。
* Rozi Plain 『Prize』
イギリスの This Is The Kit のベーシストのソロ、前作も良かったし、バンドの新作も良かったですが、これは格別!
* Joanna Sternberg 『I’ve Got Me』
前作に続きブレない名作。まるで柴田聡子さんだと感じました。
次点は Rodney Crowell の力作、Bruce Cockbun の全くいつも通りの佳作、 Rufus Wainwright のいつ聞いても寛げる新作。
4 伊東 潔 千葉県 68歳
* Paramore 『This Is Why』 (2023)
* Everything But The Girl 『FUSE』 (2023)
* Victoria Monet 『JAGUAR Ⅱ』 (2023)
Hayley Williams がリード・ヴォーカルの3人組バンドの Paramore、彼女の歌唱がギター・ポップ風味他のサウンドにマッチしてポップで耳に馴染みやすい音が好きです。アメリカのバンドならではの弾け感も魅力的です。
Everything But The Girl の久しぶりのアルバム。Tracey Thorn のハスキーがかった歌唱が色褪せずに健在、Ben Watt の作る電子楽器等を使用しながら、暖かみのあるサウンドが ETBG の存在感を感じさせる新作でした。
Victoria Monet、女性R&B歌手の新星であり、『JAGUAR Ⅱ』で今年のグラミー賞多部門にノミネートされています。今風のR&Bテイストの曲あり、ミディアム・テンポの’80年代R&Bテイストあり、しっとりとしたバラードあり、また EWF をゲストに迎えたり、と聴き応えのアルバムに仕上がっていて、これからの女性歌手として、要注目の存在です。
あと、インディーズになりますが、夢見る港『やあ、おはよう』、Nagakumo『JUNE e.p.』(5曲入りシングルCD) をよく聴きました。以上はCDを買いながら、YouTube 等の配信でもよく耳にしました。今年は配信で新しい音楽をよく聴く機会が増えました。
加えて、ライブに多く足を運んだ年でもありました。外タレでは、タイの女性歌手のNumcha、またジャズ・トランペッターの Wynton Marsalis のグループのライブ、日本では山下達郎、大貫妙子、鈴木祥子、aiko、ヒックスヴィル、ビューティフルハミングバード他に、インディーズでは、夢見る港、シュガーダンス、阿佐ヶ谷ロマンティクス等のバンドや女性歌手の kissthegambler のライブを見に行きました。
さて、2024年は魅力的な新しい音楽との出会いがあるだろうか、と楽しみになります。楽しみと言えば、4月の James Taylor の来日、心待ちの2024年のスタートです。
5 大浜 稔 三鷹市 66歳
1. U2 『Songs Of Surrender』
2. Neil Young 『Before and After』
3. Peter Gabriel 『i/o』
無職になり午前中は家にあるCDを聴き直している日々です。
6 加藤 真 埼玉県 61歳
1. Apollo Theo 『Night Cruise』 (2019)
新しいファンクの息吹を確かに感じるアルバムだと思います。
2. Lounge at the Edge of Town 『Lounge at the Edge of Town』 (2020)
とにかくカッコイイ。古い(というか新しいところは特にない)かもしれないけれど、2023年にこういう音楽があってもいいと私は思います。
3. Night Flowers 『Fortune Teller』 (2019)
ひたすら美しい彼らのサウンド。ただただ聴き入るのみ。いつまでも彼らのサウンドに包まれていたい気分です。
7 川勝 敏弘 群馬県 65歳
1. ヨーマ・コウコネン 『ライヴ・アット・ボトム・ライン』
2. トレイシー・ネルソン 『ライフ・ドント・ミス・ノーバディ』
3. ブルース・コバーン 『オー・サン・オー・ムーン』
2023年リリースのアルバムの中でよく聴いたのがこの3枚。
① は新緑ではなく2003年にニューヨークのボトム・ラインでのライヴの模様を収録した2枚組で今年の夏はこのアルバムばかり聴いてました。還暦を過ぎてからはこういう音楽がしっくり来ますね。
② このアルバムが中々の力作で懐古趣味のような作品ではなくブルース、R&B色の濃い深みのある作品です。1974年にリリースした3枚目のソロ・アルバム以来49年ぶりに彼女のアルバムを購入しました。このアルバムでエリック・カズの存在を知り、リビー・タイタスの共作「ラヴ・ハズ・ノー・プライド」に感激、ボビー・チャールズの奥さんだと知り驚きましたよ。
③ 全曲オリジナル作品で初期の70年代のアルバムを連想させるような素朴な歌声にホッとします。彼のアルバムは1970年代からずっと追いかけて来ましたがここ数年の作品は佳作揃いで充実ぶりが伝わって来ますね。
他にはデヴィッド・クロスビー&ザ・ライトハウス・バンド、ヴァン・モリスン2枚、モリーナ、タルボット、ロフグレン&ヤング、エリック・アンダースン、ナタリー・マーチャント、 グラハム・ナッシュ、 ボブ・ディラン、ベティ・ラヴェット などもよく聴きました。
お正月早々、とんでもないニュースが飛び込んで来てこの寒さの中、被災されたすべての方々に心よりお見舞い申し上げますと共に1日も早く平穏な日々が戻ることを祈念しております。
8 キーノ(こと木下康之) 東京都 65歳 https://blog.goo.ne.jp/kino1958
- 新譜編 -
1. Nickel Creek 『Celebrants』
無期限休止を解きリリースされた新譜、幼馴染の絆は強いよ!年明けにはツアーも再開される。Chris Thile は Punch Brothers よりもリラックスし、Watkins 兄妹は逆により強靭な演奏を聴かせる。疾走感を上げているのは Sara のフィドルかも。どの曲も真ん中に彼らの歌があるのが素晴らしい!
2. Natalie Merchant 『Keep Your Courage』
不思議ちゃん Natalie の9年ぶりの新譜。声は少し枯れたが、ゆったりと真摯な所は不変です。セルフ・プロデュースで10曲中9曲が自作とまだまだ創作意欲はあるので、次作はもう少しインターバルは短めにね。 ホーンの鳴りの良い元気な曲「Come On, Aphrodite」が個人的にはキラー・チューン!
3. Eliza Gilkyson 『Home』
Eliza と共同プロデュースを務める Don Richmond との共作とも取れるようなフォーキーな新作が清々しい。Donのグループ The Rifters の Rod Taylor(Asylum の人とは同名異人)と Jim Bradley を始め、Robert Earl Keen、Mary Chapin Carpenter 等が声を重ねて彩を飾る。いつも以上に華やかさを感じるのはその為かもしれない。自作の中で1曲だけタイトル・チューンとして Karla Bonoff の「Home」を取り上げている。その真意や如何に?
- 再発・発掘編 -
1. Joni Mitchell 『Archives – Volume 3: The Asylum Years (1972-1975)』
2. David Crosby & Lighthouse Band 『Live At The Capitol Theatre』
3. Burt Bacharach & Elvis Costello 『The Song Of Bacharach & Costello』
1は Joni のアーカイヴ3箱目。デモと同時期のライヴで構成するのは統一されている。かすかす1万円切れで5枚組をなんとか購入。初期のライヴはどれも貴重だが、ついに正規盤で出ている「Miles Of Aisles」に追いついたか。ソロからジャズ系ミュージシャンとバンドを組み、研ぎ澄まされる時期になってきた。次の箱も楽しみが膨らむ。
2は Crosby 逝去の1/18を過ぎてから到着。遺作となった 2018/12/8 のライヴ盤はCD+DVDと映像でも楽しめる。自分よりずっと若い Becca Stevens、Michelle Willis、Michael League と一緒にグループ感に溢れていて素晴らしい。彼らと一緒に演奏する Crosby には前向きのベクトルを感じる。これでは足踏みをするCSNYに三行半を突き付けるのも合点が行く。彼らとの道行をもう少し見守りたかったが、かっては薬にまみれていた事を思えば81歳まで活動できたのは奇跡だったかもしれない。
3はこちらも Bacharach 逝去の2/8以降に我が家に到着することになった。デユオ作『Painted From Memory』(1998)の2枚組拡張盤。1枚目にリマスター盤、2枚目は「Taken From Life」と名付けられた目玉の拡張部分。Costello が歌わない曲や彼の単独作曲もあり、少しまとまりに欠けるのは蔵出し故。しかし、終曲が Bacharach の歌声で締められる事になったので遺作としては結果オーライ!もっと大箱も出たが、そんなものは買えません。嗚呼 94歳の大往生、最後まで現役でした。
9 清宮 修 横浜市 67歳
* The Beatles 『1962-1966: 2023 Edition』
昔からカセットで買ってウォークマンで聴いてきた愛聴盤が、更にすきな This Boy、Twist and Shout なんかが加わって堪らない。
* Joni Mitchell 『At Newport』
不死鳥の様に蘇った2022年のニューポートのライブ!子供の頃小児麻痺で指が不自由だったのを克服する為にオープン・チューニングを考え出した、見た目のイメージや自由奔放なキャラクターの裏に隠れた不屈の魂!男共が束になっても太刀打ち出来ない訳です。
* 金延幸子 『み空』
こんな凄い才能を知らずに今年までいきてきた… 大滝さんもビックリですね。生で彼女を観られなかったのが残念ですが、来年もチャンスがある事を祈ってます。どれか一つ?といえばこれになると思います。
10 齋藤 皓太 千葉県 69歳
洋楽の市場がますます小さくなってきて、Amazon では手に入らない盤も増えてきた。僕の好きなアメリカーナ関係など本当に入手困難。ガーフ・モーリックスなどここ二枚手に入らずじまい。困ったもんです。
1. Buddy & Julie Miller 『In The Throes』
この盤も入手に半年かかった。ダウンロードなら Amazon でもできたが、やはり嫌なのだ。内容はイントロが流れた瞬間ベストだと分かった。全曲病弱なジュリーの曲だが(一曲だけディランとの共作がある)、物憂さ・儚さに溢れた独自の世界。エミルーとガーフが一曲ずつコーラスに入っている。バディの歌とギターはいうまでもない。
2. Lucinda Williams 『Stories from a Rock N Rroll Heart』
脳梗塞(?)から立ち直ったルシンダの新盤は痛快かつ滋味溢れていた。どちらかと言うとボスの入ったロックンロール曲よりミドルテンポの曲がみないい。彼女独特のメロディは次回復活を願う。
3. Ron Sexsmith 『The Vivian Line』
春はこればかり聴いていた。ロンは当たりはずれが一作ごとにあるが、これは当たり。もの凄くいい曲があるわけではないが、どの曲もしっくりくる。詞から想像すると、私生活で悲しいことがあったのかな?
4. The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』
まあ認めるしかない。こんなに捨て曲のない Stones は久しぶりだ。日本盤のオマケの「ゴーストタウン」がいつもの間。
5. Nils Lofgren 『Mountains』
ニルスとしては最高ではないが、嬉しい新盤だ。クレイジーホースの寄せ集めアルバムも良かった!ニールの今まで目立たなかった曲ばかり唄った新盤も、その親心に感動!
11 坂下 栄一 東京都 66歳
* Natalie Merchant 『Keep Your Courage』
新譜を聴きながら、前によく聴いていたアルバムも引っ張り出し、Natalie が今年のヘビーローテイションでした。
* Cimarron 615 『Brand New Distance』
元 Poco のメンバーたちが作ったアルバム、清々しく聴いていました。『Rose of Cimarron』も引っ張り出し聴いていました。
* Bob Dylan 『The Complete Budokan 1978』
1978年2月28日その日自分もそこに居た事を再確認させてもらったアルバム。聞くたびに当時を思い出させてくれました。
12 笹野 恒夫 神奈川県 69歳 http://cypressave.d.dooo.jp
* Susanna Hoffs 『Deep End』(2023)
* 斉藤和義 『PINEAPPLE』(2023)
* The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』(2023)
ビートルズの赤盤、青盤は世代的に馴染みが薄いものではありましたが、新装盤は、「Now And Then」と共に、やはり感慨ひとしおでした。
13 清水 伸充 神奈川県 70歳
* Fleetwood Mac 『Rumours Live』
今年は Stevie Nicks に ドハマリしました。この『噂』の Live 以外にも、『Rock A Little』の「Talk To Me」、『24 Karat Gold』の「Blue Water」… 毎日 聴いてます。
* Neil Young 『Chrome Dreams』
日本盤は待ち切れませんでした。『Before And After』の 「On The Way Home」も最高 ~♬~
* Joni Mitchell 『Archives – Volume 3: The Asylum Years (1972-1975)』
Woodstock Live 新鮮 ~♬~
14 高橋 俊博 東京都 61歳 https://twitter.com/heartbreakersjp
* boygenius 『The Record』
2023年の初頭に発売されたメジャーでの初アルバム。UKで1位、USでも4位を獲得。選考の理由は内容が良かったのはもちろんですが、11月に Saturday Night Live に初出演して「Not Strong Enough」を演奏した時の映像が物凄く本当にマジで超最高だったので。特に Phoebe Bridgers が Rickenbacker 370-12 をまさに引き倒す姿に目が離せませんでした。こんなに格好の良い12弦ギター弾きを見たのはいつ以来だろう。まったく個性の違う3人の優秀なソングライターが集まっているので CS&N に例えられることも多いですが、先人の過ちを踏襲せずに長いグループ活動をして欲しいと願うばかりです。グラミー獲得にも期待。
* Lady Apple Tree 『Lady Apple Tree』
ロサンゼルスを拠点にしている Haylie Hostetter の別名プロジェクト<Lady Apple Tree>の初アルバム。古いフォークソングやカントリーからの影響を色濃く感じさせる曲はすべて彼女のオリジナル。若いころの Emmylou Harris に似たハイトーンで歌われるメロディーは美しく優しいですが、決して弱々しいものではないのが魅力。70年代のローレルキャニオンから生まれた歌姫たちの持っていた華やかさもあり、これからの活動に期待したいです。
* Laniey Wilson『Bell Bottom Country』
自分の音楽性を表現するのに使っていた「Bell Bottom Country」をタイトルにしたアルバム。その名の通り、カントリーだけでなく70年代のロックテイスト満載の曲や切ないバラード、さらにはブルーグラスなどもあり様々な Lainey を楽しむことができました。個人的に嬉しかったのはボーナストラックとして 4 Non Blondes の1993年の大ヒット曲「What’s Up」のカヴァーが収録されていたこと。オリジナルよりロック色の強いアレンジで、Lainey の力強いヴォーカルが見事にハマっていました。こちらもグラミー賞にノミネートされているので結果が今から気になります。
15 Tak.“SPIKE” 岡山県 61歳
最近は女性アーティストを選ぶことが多かったのですが、今回は男性アーティストばかりになりました。
* Glen Phillips 『There Is So Much Here』
Toad の頃からファンで、ソロも大好き、再結成 Toad のアルバムも良いのですが、これはかなり沁みました。良いメロディー書く人だな、本当に…。
* Matt the Electrician 『We Imagined An Ending』
Glen Phillips のアルバムを作るきっかけが、この人との作曲ゲーム?だった、との情報で初めて知ったオースティンのSSWの2022年作。今年ライヴがあったのですが、参戦できませんでした…(涙)
* Ben Folds 『What Matters Most』
ごく初期の Ben Folds Five しか聴いていなかったので、「へ〜、こんな曲演るの…」とビックリしました。のどかなジャケットも素敵で、やっぱりフィジカルな音源を手元に置きたい気持ちは変わりませんね。
このほかに、ず〜っとファンである Ron Sexsmith、Paul Carrack、Doug Paisley、Gregory Alan Isakov の新譜、Joe Henry、Keb Mo、Jason Isbell、Rufus Wainwright、Teddy Thompson、Drew Holcomb などなど、男性陣が頑張った1年だった気がします。
そして、コロナ以降初めてのライヴが Nick Lowe でした!彼も言ってましたが、「Heartbraker」いい曲だわ〜。2024年はバンドで来るみたいなので楽しみです!
16 田中 一也 京都府 56歳
1. Everything But The Girl 『FUSE』
子育て、Ben Watt の病、そしてパンデミックなどを経て発表された Everything But The Girl の復活作は、どれほど優しく穏やかなものだろうか?と思い聴き始めた。聴こえてきたのは確かに優しく穏やかですが、時に過激で不安や侘しさも湛えた彼らにしか作れない、そして Tracy の声を活かしたなんともソウルフルなものでした。
2. Natalie Merchant『Keep Your Courage』
『Keep Your Courage』なんて率直なタイトルなんでしょう。音は至って派手さのないものですが、力強く、包容力に満ちており、心落ち着くもの。この1年いちばん繰り返し聴いたアルバムでした。素晴らしい来日公演を聴かせてくれた Lunasa のメンバーが参加していることも嬉しいです。木造の家で聴いているかのような録音は、とても生々しく素晴らしいです。
3. Ivan Neville 『Touch My Soul』
Ivan の約20年ぶりのソロ名義アルバム。Dumpstphunk などでの活動もあったのでそんなに経っていたとは思いませんでした。いろいろなスタイルの曲が収録されていますが、どれも演奏する歓びを感じ、ニューオリンズ魂とでも言いましょうか、一本筋が通っています。
2021年9月~2022年4月に及んだ療養生活から1年と9か月が過ぎました。今のところ再発無く無事に過ごせていること、助けてくれた自分の周りの人たちに、感謝の気持ちでいっぱいです。世界は辛いことが続いていますが、ささやかでも、日々、正直に、大切に、出来ることを行いながら、生きて行かないと、と思います。上記の3枚はそんな自分の気持ちに寄り添ってくれたアルバムたちです。
そのほか、Rolling Stones『Hackney Diamonds』にはとにかく興奮しました。Nils Lofglen『Mountains』、Lloyd Cole『On Pain』、Taj Mahal『Savoy』どれも甲乙つけられない素晴らしいものばかり。ライヴは、Lunasa、Nick Lowe、Kitty, Daisy & Lewis、中川五郎さん、どちらも最高の時間でした。2023年も大好きなミュージシャンたちに感謝。
17 筒井 義樹 栃木県 59歳
1. Kristi Kimsey 『As I Look Back』
素晴らしい発掘でした。
2. John Scofield 『Uncle John’s Band』
期待通りでよく聴きました。
3. Beverly Glenn-Copeland 『The Ones Ahead』
深い音楽。初期の acid folky 作もぼちぼちおさらい。
18 ナシゴレン NOAH 東京・浅草
- ベスト3(国内編) -
* Dr. Strange Love 『Solitire』
12月16日未明、世界配信で突然届けられたシングル、国産純度100%のオルタナロック!根岸旨孝のうねるベースと悩ましいヴォーカル。長田進の既成概念なしの自由なギターがお互いに絡み合う。この後のアルバムやライヴを大いに期待したい。まるで洋楽のような2004年以来のサウンドが炸裂する。
* ANZAiFURUTA 『う~ゆばりあ』
夏の終わりに届いたしーたかさんからの便りには、並々ならぬ期待と自信がうかがえる新作が響いていた、ほぼ全曲全楽器演奏と歌を、あの豪快なヴォーカルで僕らを圧倒し、相方である安齋肇の不思議な魅力あふれる声と時に囁き時に叫ぶ。こんなバンドは他にないことをしーたかさんのスネアの1発で証明された気分だ。1月からのライヴも楽しみな二人+αに目が離せない
* 井上富雄 『Diamond Planet』
9月待望のフルアルバム(ソロでは4枚目)が発表された。まずはCDをプレイヤーに…「シーラカンスの憂鬱」のイントロ。文句なく「今年一」の傑作だ。何度もライヴで聴いてきた曲も新たに練り直され、ほぼ全曲を演奏し歌う。言葉の一つ一つに過去作と大きく違う説得力を感じた。1月のワンマンライヴではお馴染みのバンドとこのアルバムをどう再現するのか?今から楽しみだ
- ベスト3(海外編) -
* The Rolling Stones 『Hackney Diamonds (Live Edition)』
2012年のGARRRで復活し、一人メンバーが消えて、あの忌々しいパンデミックがあり、本当に待ちに待った新作。文句なく2000年代の彼らの代表作だろう、悪いはずがない。豪華なゲスト陣や往年のメンバーのプレイも活かしている。何より80歳を超えたギルマー兄弟の生き生きとしたロック。NYでのライヴテイク7曲が今も生き続けるロックンロールバンドを証明してみせた。やはり世界一のバンドだ。
* Bruce Springsteen 『Japanese Singles Collection -Greatest Hits-』
日本独自企画というベスト盤をここに書くのはどうなのか?と思いましたが、正直今年一番嬉しかった。何より、DVD もう何度も見た映像、初めて見た映像、最近の姿、どれもみんな自分の人生の歴史と照らし合わせてしまうくらい、長い間聴き続けた Boss。もう我が国で見ることは叶わないかもしれないけれど、それでも今も明日なき暴走し続ける Boss をこれからも聴き続けたい。
* Mavis Staples & Levon Helm 『Carry Me Home』
2022年作品ではあるが今年一番気に入ったアルバムなので。一月に天辰保文さんとラジオでラストワルツを語り、8月レコーディングスタジオにて Woodstock で Garth とジョイントした Dr. kyOnさんとロビーの死を知る。12月に同じく Woodstock でレヴォンと出会ったトミーさんとラジオで語る。今年はやはりThe Band で始まり The Band で終わる。だからこのアルバムは僕にとってのバンドの最新作。ラストの「The Weight」が証明してみせた。
番外編 ナシゴレンNOAH 「Very Merry X’mas」 (prod. Dr. kyOn)
この夏にレコーディングした60歳還暦記念アルバムからの先行配信シングル。井上春生氏制作のミュージックヴィデオは世界最高のクリスマスプレゼントになりました。
19 百間 新潟県 46歳 https://twitter.com/hyakuken
1. DIALOGUE+ 『DIALOGUE+2』
2. 夏川椎菜 『ケーブルサラダ』
3. 岬なこ 『day to YOU』
以下次点(タイトル洋楽ABC順、邦楽50音順) Laufey『Bewitched』、Albin De La Simone『Les Cent Prochaines Années』、Julia Sarr『Njaboot』、Siti Nurhaliza『SITISM』、Ireke『Tropikadelic』、Omara Portuondo『VIDA』、ウルトラ寿司ふぁいやー『鯖ival』、思い出野郎Aチーム『Parade』、杉山清貴『FREEDOM』、Tokyo 7th Sisters 2053『Brightestar』
1 は声優8人組の2ndフルアルバム。聴き手と賑やかにオシャベリしたり、シンミリ語り合ったり、一緒に高らかに声響かせたり、二人三脚のような親密な音楽に惹かれました。
2 は声優の3rdフルアルバム。張り巡らされた感情の糸震わせ聴き手ひとり一人に語りかけるような歌声、躍動感溢れる音色に惹かれました。
3 は声優の1stフルアルバム。瑞々しくも甘やかで、溌溂とした歌声、丁寧に編まれたタペストリーのような温もり伝わる音色に惹かれました。
流行り病と向き合う日々が節目迎え、長きに亘るSTAY HOMEの隙間埋めるように足繁く東へ西へとLIVEに通った一年でした。アルバム発売はなかったものの、カバー企画等を通じ「アニソン」の枠を超えて活動フィールド広がった ClariS の飛躍も想い出深いです。例年よりアルバムと向き合う時間は少なめでしたが、ステージから貰った感動と刺激でリフレッシュし、今年も心に響く作品との出会いに恵まれました。限りある余暇や財源、気力体力に合ったLIVE参加と音楽作品視聴のバランスなど、2024年は新しい音楽生活のスタイルを模索する一年になりそうです。
20 福田 秀貴 東京都 55歳
* Molly Tuttle & Golden Highway 『City Of Gold』
* Bob Dylan 『The Complete Budokan 1978』
* The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』
今年よく聴いた3枚です。
特に The Rolling Stones は、勿論出れば聞いてますが、まさかここまでの作品だとは!
21 Blue 59歳 https://twitter.com/BlueSpiritBlues
1. 中島みゆき 『世界が違って見える日』
2. NON 『PURSUE』
3. The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』
2023年に発表されたオリジナル・アルバムから3枚選びました。
モノクロのジャケットが表しているように、コロナ禍前のアルバムとはまったく色あいが違う凄みを感じさせてくれた中島みゆき。短いロックン・ロールが続けざまに出てくるのが痛快で、生き生きとしたヴォーカルと全編から伝わるギター・バンドでロックすることの楽しさ。笑顔で聴けるアルバムに出会えて嬉しかったNON。音に興奮しただけでなく、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロン・ウッドとポール・マッカートニーが並ぶ写真を見て涙が出たストーンズ。
番外としては、デミックス効果が予想以上に素晴らしかった Beatles『1962-1966(2023 Edition)』です。
22 真紀 東京都
* Bob Dylan 『コンプリート武道館』
* Joni Mitchell 『Archives – Volume 3: The Asylum Years (1972-1975)』
* Nickel Creek 『Celebrants』
振り返れば、2023年は特に Bob Dylan 尽くしの1年だったように思います。来日公演、The Bootleg Series Vol.17、そして『コンプリート武道館』。おまけに、マンドリンで Bob Dylan の曲を弾く機会が多く、練習のために一番聴いたアーティストでした。そんな中でも、Joni Mitchell『Archives Vol. 3』の、特に「Carnegie Hall」のLIVEには痺れました。曲間の Joni が可愛いくて。マンドリン関連では、やっぱり Nickel Creek。発売前からすごく楽しみにしており、期待通り、いや期待以上でした。それぞれが経験を重ね、さらに素晴らしいトリオになっていましたね。来日してほしいー。
23 増田和彦(ニャロメ) 千葉県 61歳
1. The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』
ストーンズに年齢制限無し。チャーリーがいなくなって、結束、前進力が増したように思えます。
2. Peter Gabriel 『i/o』
人生の終盤を迎えたピーター・ガブリエルが、「自分はどこから来て= in どこへ行くのか?= out」という壮大なテーマを静かに描いたと勝手に解釈しています。
3. Lucinda Williams 『Stories from a Rock N Roll Heart』
脳卒中から復活、ポジティブなメッセージと喜びを感じ取れるアルバム。スプリングスティーンの参加も嬉しい。最近の一連のカヴァーアルバムも良かったけど、ちょっとやさぐれた歌い方が気になっていた。あれは病気の影響だったのか?このアルバムではそれも抑えられている。
24 松井 愼一 神奈川県 68歳
1. ジョニ・ミッチェル 『アーカイヴス Vol.3 : アサイラム・イヤーズ (1972-1975)』
過去2作のアーカイヴス・ボックスも素晴らしかったですが、やはり自分が一番熱心に聴いていた時代であり、格別でした。デモ録音もライブも、聴く度に嬉しくなります。
2. リタ・ウィルソン 『ナウ&フォーエヴァー : デュエッツ』
2012年作の『AM/FM』は、今だに忘れた頃に聴きたくなるアルバムですが、今年も、忘れた頃に新作を届けてくれました。これからは、ジ ミー・ウェブの2作のデュエット・アルバム同様に、忘れた頃に聴き続けると思います。
3. ニール・ヤング 『ビフォア・アンド・アフター』
新旧取り混ぜたリリース・ラッシュに付いていくのは大変ですが、いずれのアルバムも力の入った作品で、そのエネルギーには脱帽です。昨年は、Crosby も Stills も Nash もアルバムも出してくれ、どれもが嬉しい作品でした。
その他、Bob Weir『Ace (50周年盤)』、『ソングス・オブ・バカラック&コステロ』、リトル・フィート『セイリン・シューズ&ディキシー・チキン』、ジョン・クリアリー『ニュー・カインダ・グルーヴ』がお気に入りでした。
暮らしていれば、数年の間に誰にも訪れる様々な出来事が、いっぺんに我が身に降りかかった大変な年でしたが、家族・友達、そして音楽に救われ、達郎さんのライヴに励まされた、そんな一年でした。
25 松波 宗義 八王子市 78歳
1. Chris Brain 『Flying On Time』 (2022)
2. Wooden Horse 『Wooden Horse』(1972)
3. Richie Snyder 『Richy Snyder』 (1978)
2023年、天辰さんのBest3に投稿させて頂いて14年目になりました。今年3月に仕事を完全に辞めて、年金のみの生活者になりましたが、仕事の代わりに月1回好きなレコードを回すDJの楽しみを見つけ、レココレと共に新たな生き甲斐となっています。
Best3ですが、1は Nick Drake の再来かと思わせる、英国のSSWです。2はPPMのフォロワー、3は最近嵌っているAOR系のしられざるSSWですが、ジャケは何と Steely Dan の1stのジャケを描いた人らしいです。
26 Mayumi Abe 東京都 https://www.facebook.com/heartbreakers.jp
* Fleetwood Mac 『Rumours Live』
* Beirut 『Hadsel』
アルバムを真剣に聴くことが少なくなり、昨年は YouTube で古い洋楽ランキング(ビルボードとか)や音楽番組をよく見てました。
27 丸山 由岐子 東京都 56歳
* The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』
18年ぶりの新譜。それだけでワクワクだったが、Paul McCartney の参加、「Dedicated With Love To Charlie Watts」の文字で胸が熱くなる。楽曲とボーカルの勢いは勿論のこと、ロックが生き続けていることの象徴。2024年来日公演、実現してほしい。
* 佐野元春 & The COYOTE BAND 『今、何処(Where Are You Now)』
2022年発表の新譜は、2023年の全国ツアーをもって帰結。コヨーテバンドとしては6作目、最高傑作と言いたい。ライブでは常に前進し続ける姿勢に感銘を受ける。たとえどんな時代でも、佐野元春は希望の象徴であり続ける。
* David Lindley 『El Rayo-X / 化けもの』
1981年作品。2023年3月に訃報を聞くまでほとんど意識して来なかったが、4月に天辰さん&ピーター・バラカン氏のイベントで、アナログ盤大音量で聴いた 「Mercury Blues」があまりにも素晴らしく心が躍った。2023年の大切な出逢いのひとつ。
28 水口正裕 神奈川県 68歳
1. Cécile McLorin Salvant 『Mélusine』
2. Aaron Diehl & The Knights 『Zodiac Suite』
3. Original Cast Recording 『Days Of Wine And Roses』
① 天衣無縫なライヴにもシビれるが(昨年はコットン・クラブに登場)、柔軟かつ精緻な魅力を発揮するレコーディングも格別なジャズ・ヴォーカリスト。一度聴き始めるとやめられなくなる。
② ブルックリン拠点の室内オーケストラ、ザ・ナイツがジャズ・ピアニスト/作曲家のアーロン・ディールと組んで発表したのは、先進的ジャズ・ピアニスト/作曲家だったメアリー・ルー・ウィリアムズ(1910~1981)の同名アルバム(1945年)の新解釈による丸ごとカヴァー。先人に対する敬意と愛情にあふれた好盤。
③ 発表作品は少ないながらも、すでに名匠の域に入りつつあるミュージカル楽曲作者アダム・ゲテールの新作は、ヘンリー・マンシーニが書いてスタンダード化したテーマ曲でも知られる同名映画(邦題:酒とバラの日々)のミュージカル化。そのオリジナル・キャスト盤がこれ(今のところ配信のみ)。もちろんマンシーニの曲は使われてい“ない”。昨年初夏にオフ・ブロードウェイで上演された舞台は、新年早々ブロードウェイに移って幕を開ける。渋いが必見。
29 光実 保好 岡山県 59歳
昨年に引き続き2度目の投稿となります。毎年皆さんの投票作品を楽しみに拝見させていただいております。2024年も素敵な音楽に出会えますように。
1. Natalie Merchant 『Keep Your Courage』
2. flow 『冬にわかれて』
3. OKI 『Live at Café Oto』
上記3枚いずれも最初に聴いた時に、歌い出しから心を鷲掴みにされてしまい、年間を通じ何度も聴きましたがずっとその印象が変わらず、楽曲・演奏・歌の強靭度で群を抜いていると感じ、選出しました。
サブスクで音楽を聴く機会が増える中、聴くアルバムの数は格段に増え、意図せず新たなアーティストに出会えるといった嬉しい機会もありましたが、繰り返し聴いた音楽はいくつかに絞られました。
番外 The Rolling Stones 『Hackney Diamonds』
最も好きなアーティストの18年ぶりのオリジナルアルバムを。こんなに Energy に満ちた楽曲群を聴けて、この上なく嬉しい!中でも、Rockin’なナンバーに惹かれており、ゲストの Paul McCartney がメンバーの熱量に負けじとブリブリのベースで対峙している(ような)「Bite My Head Off」など最高で、熱くなります。
また、ニューアルバムを聴くのと並行して、1978~1994年頃の Outtakes を熱心に聴いていて、楽曲がアルバムに晴れて正式に収録されるまでには、セッションが何年にも渡って繰り返されている(時にはアルバムを数枚跨ぐこともある)「地続き」の活動であることを興味深く知ることができ、ローリング・ストーンズの楽曲の新たな捉え方ができた年になりました。(中山康樹氏のローリング・ストーンズ関連書籍を参照しながら楽しみました。)
30 めぐ・ぶらうん インドネシア、バリ島 60代後半
* Duane Betts 『Wild & Precious Life』
今年の1枚は、なんと言っても満を持してリリースした Duane Betts のソロ・アルバム『Wild & Precious Life』です。前作の Allman Betts Band も良かったですが、やはり Duane Betts のソロ・アルバムの方がもっと好きです。Dickey Betts そのもの…という気もしますが(笑)、Dickey より良い意味でライトで爽やかでカントリーぽく感じます。DBが、マリブで幼少期を過ごしたせいでしょうか?今は爽やか路線の彼ですが、8年ぐらい前まではアルコール問題もあったみたいですね。ずっと断酒してるようです。私が会った時もミネラル・ウォーターしか飲んでいませんでした。勿論タバコも吸っていませんでした。皆さん、おススメです。
31 MOTO 西東京市 58歳
1. Tommy McLain 『I Ran Down Every Dream』
年の瀬に久しぶりに顔を出した行きつけの店 Creole Coffee Stand(東長崎)でさりげなく流れていたこのアナログ盤。オーバー80とは思えない気迫のVo.の味わい深さにしみじみやられました。で、本年度のNo.1です。
2. Walter “Wolfman” Washington 『Feel So At Home』
ここ10年余りに出会った南部ローカルの音楽は前述の Creole Coffee Stand のBGMというのが多い。ウルフマンも然り、彼の遺した最後の作品は店で聴く前に自宅に届いた。酒がすすみます。
3. Rickie Lee Jones 『Pieces Of Treasure』
ラス・タイトルマンとの…等々にも惹かれたのだが、スタンダードの解釈に込められた今の彼女の心情がダイレクトに伝わるB面ラスト「It’s All In The Game」の曲終わりに漏れ聞こえたリッキーのブレスにグッときました。
4. 吉田美奈子 『Bells』
『Bells』のアナログ盤化は無視できなかった。30cmのアルバムカヴァーも見てみたかったのだ。
32 森 陽馬 東京都 49歳
2023年はベテラン勢の活躍が目立ちましたが、新しい世代のミュージシャンも良い作品、素晴らしいライヴがたくさんありましたね。
* The Lemmon Twigs 『Everything Harmony』
アメリカのダダリオ兄弟によるユニット、レモン・ツイッグスの4作目。サイモン&ガーファンクルを彷彿とさせるメロディ&ハーモニーに切なくも懐かしい気持ちになりました。
* Bruno Major 『Columbo』
英国出身1988年生まれの男性シンガー、ブルーノ・メジャーが“コロンボ”と名付けた愛車へ捧げたメランコリックな作品。温もりとやさしさが伝わってきました。
* Rachael & Vilray 『I Love A Love Song!』
Lake Street Dive の女性シンガー、レイチェル・プライスと、男性ギタリストのヴィルレイによるデュオ2作目。心地良くゆったりと酔える1枚です。
33 山本 尚 トロント、カナダ 43歳
* Andrew Gabbared 『Cedar City Sweetheart』
ザ・ブラック・キーズのツアーバンドの一員として活躍しつつ、ブライアン・ウィルソンと交友、ビーチボーイズのカヴァープロジェクトをやってみたりと、多彩な音楽に精通しているが、今作はタイトルの<Sweetheart>通り、ザ・バーズ、グラム・パーソンズな色を現代風にアレンジしており今年一番聴いたアルバムでした。
* Deer Tick 『Emotional Contracts』
2007年のデビュー以来、コンスタントに好アルバムをリリースしているロードアイランド州プロビデンス出身のアメリカン・ロック・バンドの8作目。とあるアメリカのライターは当アルバムを「このアルバムは、レトロな雰囲気ではないものの、The Band や Los Lobos に似ている」と紹介したようだが、僕にはストーンズ臭しかしない。アメリカンが奏でるストーンズ風ロック、やっぱイギリス人とは一味違うというか、好きなんです。
* Wilco 『Cousin』
Wilco 好きなのでやはり外せないです。ずっとセルフ・プロデュースが続いていた中で、ウェールズの女性アーティスト=ケイト・ル・ボンをプロデューサー迎えた意欲作。その成果は音色、アレンジ面に前面に出ているし、13作目にしてなお、過去のどのアルバムにもない世界観のアルバムになっている。そして<Jeff Tweedy never writes bad songs>です。アルバムを締めくくる「Meant To Be」の美しいこと。今作もグレンのドラムが最高。彼のドラムについて語り合いたい。
というベスト3なのですが、11月に発売された『Cat Power Sings Dylan』と Dylan の『コンプリート武道館』発売以降はこの2枚ばかり聴いています。やっぱ Dylan でした。
34 Long Distance Love(柴田廣次) 東京都 63歳
1. David Crosby 『Right For Free』
2023年は多くの偉大なミュージシャンが天に召されましたが、彼の死が一番ショックでした。このアルバムの1曲目「River Rise」でフューチャーされていた Michael McDonald のことを「Ray Charlesと並んでベストなシンガー」と言っていたことが驚きでした。
2. Joni Mitchell 『At Newport』
とにかく(どんな状況でも)復帰してくれたことが嬉しかったです。
3. Neil Young 『Before and After』
ともに現役のレジェンドである Bob Dylan の『コンプリート武道館』と迷いましたが、全曲(名曲!)を繋げて録音というアイデアに驚きました。
35 若松 隆 埼玉県
1. Neil Young 『Before and After』
ニール・ヤングの新譜。今のニール・ヤングを感じさせる最新アコースティック・ライブ盤で、愛聴盤になっています。今年もオフィシャル・ブートレッグ・シリーズや『クローム・ドリームズ』等突然のアルバムのリリースが多かったのですが、ずっとついていきたいと思っています。
2. Bob Dylan 『コンプリート武道館』
アルバムの内容は当然のこと、制作スタッフの熱意に脱帽です。ボブ・ディランの歌のうまさにあらためて感心しています。
3. Kodama & The Dub Station Band 『Cover 曲集♪ともしび♪』
こだま和文率いるダブ・ステーションバンドの新作。ほとんどが聞きなじみのあるカバー曲集だが、とても新鮮。今年一年よく聞きました。
36 渡辺 真也 神奈川県 69歳
春 Natalie Marchant 『Keep Your Courage』
新譜が出る度ワクワクする女性。
夏 Tony Bennett 『I Left My Heart In San Francisco』
いつかはこの日が来るのは覚悟していたがやはり寂しい。でも Good Run だったよ。Tony。
秋 Joni Mitchell 『Archives Volume 3: The Asylum Years (1972-1975)』
思わず胸ときめくあの頃。credit に Stray Gators を見つけた時はまたしても胸ときめく。
冬 Neil Young 『Befor and After』
Neil を聴き続けていることは満更でもない。また新たな発見が見えてくる。
37 天辰 保文 千葉県 74歳
* Natalie Merchant 『Keep Your Courage』(Nonesuch Records)
* John Scofield 『Uncle John’s Band』(ECM Records /Universal Music LLC)
* Wilco 『Cousin』(dBpm Records/ Sony Music Lebels)
2023年は、この3枚でした。他には、新作ではありませんが、 David Crosby『If I Could Only Remember My Name』 、Tim Hardin『Painted Head』の2枚を、1枚は確たる理由でもう1枚は確たる理由もなくよく聴きました。また、ロビー・ロバートソンが Song Sketch の形でピアノを弾きながら歌う「Twilight」が入っている、Box の『The Band A Musical History』ばかり聴いていた時期もあります。
コロナ以降というか、ライヴに足を運ぶようになったせいか、多くの方々と同じ空間で音楽を共有することの喜びを改めて痛感した1年でした。中でも、圧倒されたのは、テデスキ・トラックス・バンド、ロックってこういうんだったとワクワクさせてくれました。広島で観たジャクソン・ブラウンも、格別でした。他にも、ノラ・ジョーンズ、ボブ・ディランが印象深く残りました。ディランと言えば、『コンプリート武道館』をきっかけに、『Bob Dylan Live 1966, The Royal Albert Hall Concert』を引っ張り出していろいろ考え、『Cat Power Sings Dylan: The 1966 Royal Albert Hall Concert』も大切なアルバムとなりました。忘れるところでしたが、Dan Reeder『EP X 500』も新たな出会いとして印象に残りました。
2023年は、なかなか辛くて厳しく、忘れがたい年でした。おかけで、自律神経がボロボロになったり、、。そんなとき、救われたのは、とある友人が投げかけてくれた「おれたち音楽が好きで良かったなあ」と、そんな言葉でした。音楽にどんな力があるのか、ぼくにはいまだにわかりませんが、「好きで良かった」というその実感だけはわかるし、大切にしたいと改めて思います。そんなことを噛み締めることの多い1年でした。さあて、1年後はどうでしょうか、また、会いましょう。
2024年 1月 天辰保文