1 赤谷 隆一 インド、ニューデリー(2021年8月より再渡印) 65歳
1. ジョン・ハイアット ウィズ・ジェリー・ダグラス・バンド『レフトオーヴァー・フィーリングス』
一人でこの歳まで絶えず作品を出し続ける先輩に乾杯。今回はアコースティック寄りの渋めの曲が味わい深いものです。この関連でYouTubeで見た彼の娘のリリーの「ザ・ナイト・デヴィッド・ボウイ・ダイド」のMVも軽い衝撃を受けました。
2. SKYE 『SKYE』
キャラメル・ママからベースが細野さんから小原さんに代わったメンバー構成、悪い訳がありません。特にはっぴいえんどの頃とは違ったアレンジの「ちぎれ雲」と、「川辺にて」が素晴らしく、心に沁みました。
3. ニール・ヤング&クレージー・ホース『Barn』
ここにも出し続ける先輩がいますね。最近の作品中ではメロディが自分の心に刺さってきたものが多いような。今年の3作とも、継続(は力なり)という言葉が浮かんで来ました。見習わなければ。
また再びここに来るとは思いませんでしたし、日本とは全然違う文化の処にどのくらい居るのかは分かりませんが、粛々とやって行きます。どうぞ皆さんもお元気で、コロナの世界を生き抜いていきましょう。
2 伊東 潔 我孫子市 66歳
昨年は諸事情(手術、入院等)により、参加できませんでした。退院後、徐々に普通の生活に戻り、新しい音楽との出会いに恵まれた一年。以下の三枚、順位はありません。
1. Silk Sonic 『An Evening With Silk Sonic』
2. Clairo 『Sling』
3. kiss the gambler 『黙想』
3の日本のインディーズの女性シンガー・ソングライターの kiss the gambler は、日々の生活の中の風景を声高に描くのでなく、彼女の自然体での目線で描く世界が気持ち良かった。
後、印象に残ったのは、日本ではアナログ盤シングルでリリースされた、鈴木祥子の「助けて!神様~So Help Me, God!」、「GOD Can Crush Me.」の2枚、そして同じくアナログ盤シングルでリリースされた阿佐ヶ谷ロマンティクスの「独り言」、またCDでは、待ちに待った bjons の2枚目『CIRCLES』、Boyish の『ブルー・レイン』をよく聴きました。配信では、Willow、UPSAHL、Dua Lipa、Dojo Cat などもよく聴きました。海外のミュージシャン、シンガーは配信のみや配信とアナログ盤リリースが少なくなく、CDを聴くものには……(笑)。
3 恵本俊文 東京 55歳
1. カルロス・アギーレ『La música del agua』
ラ・プラタ川流域で暮らす人々や文化を見つめ、ピアノで弾き語る、水の音楽。柔らかな歌声と絡み合うピアノも美しい。ひとりで、もちろん誰かとでも、いつまでも聴いていられそう。2019年発売。
2. 角銅真実『oar』
はっとさせられるウィスパーボイス、そして歌詞。今後に大きな期待を込めて、アナログで聴いています。
3. ユカリサ『WATER』
空気公団の山崎ゆかり、tico moon の吉野友加、ザ・なつやすみバンドの中川理沙がつくりあげる、静謐ながら、さまざまな思いが伝わる優しい音楽たち。
ほかに、グソクムズのシングル「すべからく通り雨」なども愛聴しました。
4 大浜 稔 三鷹市 64歳
* Jackson Browne 『Downhill From Everywhere』
* Melissa Etheridge 『One Way Out』
* Sting 『The Bridge』
今年はやっぱジャクソンが良かったな。
5 川勝 敏弘 群馬県 63歳
1. Jackson Browne 『Downhill From Everywhere』
2. David Crosby 『For Free』
3. Neil Young & Crazy Horse 『Barn』
今年よく聴いた3枚です。夏はジャクソン・ブラウン、デヴィッド・クロスビーをよく聴いてて、新譜以外にも『デジャ・ヴ』や1枚目のソロの50周年盤、ニール・ヤングもデジャ・ヴ、71年のヤング・シェイクスピア、70年のカーネギー・ホールがリリースされたこともあり、新譜も含め過去の作品もよく聴きました。年末は届いたばかりのニール・ヤングを聴く機会が多く、ここ数年の作品の中では一番気に入ってます。
他にはジョン・ハイアット&ジェリー・ダグラス、ヴァン・モリスン、ブッカーT&MG’s『ザ・コンプリート・スタックス・シングルズ Vol. 2』、フレッド・ニール『38 MacDougal』、ハンブル・パイ『ライヴ・イン・東京 ’73 – 渋谷公会堂に於ける熱狂のコンサート』、『アレサ~ザ・グレイテスト・パフォーマンス(デラックス)』などもよく聴きました。
50周年記念盤はグレイトフル・デッド 『スカル&ローゼズ(薔薇と骸骨)』、『デジャ・ヴ~50th アニヴァーサリー・デラックス 』、ジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス』、ビートルズ『レット・イット・ビー』、ビーチ・ボーイズ『フィール・フロウズ:サンフラワー&サーフズ・アップ・セッションズ1969-1971』、40周年はストーンズの『タトゥー・ユー』を購入しました。
1971年は中学1年で音楽に夢中になり出した年でニール・ヤングを好きになってから50年経ちましたが、まだ現役で新譜をリリースしてて凄いと思いましたよ。今年は初期のジョニ・ミッチェルやジャクソン・ブラウンの過去の作品を聴き直しましたが、特に『レイト・フォー・ザ・スカイ』がとてもよかったですね。
6 キーノ 東京都 63歳 http://green.ap.teacup.com/kino1958/
- 新譜編 -
1. Valerie June 『The Moon And Stars : Prescriptions For Dreamers』
2017年のブルーノート東京公演でドレッド・ヘアーでぶっ飛んでた Valerie June の新作は、彼女らしい下世話なソウルがけだるくしょっぱい歌声と相まってズンズンと響く。異端ではあるがこれも立派なアメリカーナ。バンジョー弾くのが1曲なのはちと寂しいが。2曲で Carla Thomas をゲストに招いており、バトンを引き継ぐ心意気も感じます。
2. Daniel Lanois 『Heavy Sun』
久しぶりの新作はゴスペル・シンガーを招いてのゴスペル・アルバム。これが幽玄なサウンドにマッチしてとても素晴らしい。かって彼がプロデュースした Neville’s の『Yellow Moon』を思い出させてくれた。
3. Van Morrison 『Latest Record Project Volume 1』
近年はブルース等のカバーも多いが、ほぼ全曲をオリジナルで固めた新作。当然過去の焼き直し的なものもあるし、頑固丸出しの歌詞が批判も受けている。それでも「20世紀最高の歌手の内の一人」と思っており、21世紀に入ってもコンスタントに新作を発表し続けている。28曲の魂の咆哮に喝采を捧げたい。
- 再発・発掘編 -
1. Tony Joe White 『Smoke From The Chimney』
2. Various 『The Daptone Super Soul Revue Live! At The Apollo』
3. Andy Pratt 『The Lost Albums 2010-2014』
1 は亡くなった Tony Joe White が生前に録り溜めたデモ音源を家族から託された The Black Keys の Dan Auerbach がナッシュビルのミュージシャンとオーバーダビングを重ね違和感のない1枚に仕上げてくれた。これが素晴らしい出来で死後の作品とは思えない。
2 は 2014年12月4-6日 にアポロ・シアターで行われた Daptone Records のショーケースを録音。とめどなく溢れる黒汁に、この場に居られたらさぞかし幸せだったろうと想像できる。4人が既に鬼籍入り。ラストで全員で奏でる Sly の「Family Affair」は華々しき鎮魂歌だ!
3 は2015年の編集盤「Do You Remember Me?」で再発見したが、元々70年代からコンスタントに活躍してきた人。AOR系だが良いポップ・チューンを書きますね。見た目はお茶の水博士(笑)。前述の編集盤の基となったのが本4枚組BOX。配信のみだったのが目出度くCD化。
7 清宮 修
1. Alison Krause & Robert Plant 『Raise The Roof』
2. John Mellencamp 『Strictly A One-eyed Jack』
3. YOASOBI 「夜に駆ける」
どれも予想外の収穫でした。3はアルバムでなくてすみません。
8 齋藤 皓太 千葉県 67歳
このうんざりする状況下でも素晴らしい盤に出会えたのは嬉しい。
1. Neil Young & Crazy Horse 『Barn』
とにかく何でもかんでも出してくるけど、心からいいなあと思ったのは久しぶりだ。特に凄い曲が入っているわけではないけど、納屋にクレイジーホースと入って、せーのでやる感覚が貴重なのだ。
2. Lucinda Williams 『Southern Soul』
なんか滑舌がおかしいなあと思ったら昨年脳梗塞かなんかで倒れたらしいですね。(インスタで彼女とトラぶった頃か?)ジュークボックス・シリーズの第二弾だが、とにかく楽曲への愛が感じられる。バックのギターが最高なのはいつも通り。
3. Doobie Brothers 『Liberté』
聴いた回数ではこれが一番かも。新境地を開きましたね。プロデューサーの存在がかなりでかそうだ。トムの好調さに加え、パットの楽曲もみな良くて驚いた。
4. Jackson Browne 『Downhill From Everywhere』
ジャクソンの盤をこんなに繰り返し聴いたのも久しぶり。若い頃の曲調を思い出させる好盤だ。
5. Wesley Stace 『Late Style』
ウェズリーハーディンから本名に戻って何枚目だろう。今回はジャズバンドがバックだ。何枚か前で「もうロックンロールはいらない!」とロックバンドをバックに唄っていたWEZだが、気持ちはわからないでもない。気持ちよさそうに唄っている。
その他では、やはり Springsteen & E Street Band の79年『No Nukes』は圧倒的に凄かった。有難いことです!Neil の70年『カーネギーホール』も嬉しかった。大昔ブートレックで聴いていたライブとは一日違いみたいですね。
9 坂下 栄一 東京都 64歳
* Jason Isbell & The 400 Unit 『Georgia Blue』
政治的な話の中から出来たアルバムとのことですが、カバー曲でも Jason Isbell の曲になってしまうのがすごい。「In Memory Of Elizabeth Reed」ギターがとても心地よい。
* Bruce Springsteen & The E Street Band 『The Legendary 1979 No Nukes Concerts』
当時レーザーディスクで見ていましたが、こんなにも熱いステージだったとは思いませんでした、参加した他のアーティスト達も収録した物があるのならリリースしてもらいたい。
* Jake Shimabukuro 『Jake & Friends』
このアルバム全体にとても音が良いのが印象的でした。一番のお気に入りは 「On The Road To Freedom」での Warren Haynes のギターの絡み、美しいです。久しぶりに Alvin Lee を聴きたくなりました。
10 笹野 恒夫 神奈川県 67歳 http://cypressave.d.dooo.jp
* Los Lobos 『Native Sons』 (2021)
* Jackson Browne 『Downhill From Everywhere』 (2021)
* The Selecter 『Too Much Pressure (Deluxe Edition)』 (2021)
リミックスものでは、The Band の『Stage Fright』、ロイヤル・アルバート・ホールでのライブをよく聴きました。
11 園城聖子 千葉県在住 59才
1. milet 『eyes』
昨年から今年にかけて一番聴いたのは milet の『eyes』。ミレイちゃんが子供の頃、同じ先生にフルートを習っていたご縁で、ずっと応援してきましたが、紅白にも出演、東京オリンピックの大舞台でも歌い、我が子の成長を見るかのごとく嬉しい一年となりました。澄んだ声色、伸びやかな声量、独特な世界観、これからも楽しみな逸材です。
2. カントジフア『どこかの街角で』
チェロ、ギター、スチールパンのトリオが紡ぐアンニュイなサウンドが心地好く、まったりしたい時に最適なBGM。チェロの薄井さんは、クラシックのみならず、タンゴ、ジャズなど幅広いジャンルをこなし、ロックでシャウトするボーカルなど多才です。
3. Kathryn Scott & Yo-Yo Ma 『Songs Of Comfort & Hope』
いわずと知れたチェロの巨匠がピアノとチェロだけで奏でる希望の数々、シンプル故にその旋律は心に染み入るものがあります。気取らず飾らず美しいメロディーに癒されます。
番外編は「ボヘミアン・ラプソディ」
映画を観て涙し、古いアルバムを聴き直し、ライブ・エイド映像をあらためて観て、聴いて、歌って、聴いて、そして演奏した、そんな一年だったなあと思います。
12 高橋 俊博 東京都 59歳
* Tom Petty and the Heartbreakers 『Angel Dream』
6月の Record Store Day(RSD Drops)限定発売という話だったので、朝6時から新宿の某ショップ前に並んで入手した思い入れのある1枚(もっとも7月に通常発売されましたが(苦笑))。96年の『She’s The One』の発売25年を記念したリイシュー盤(正式にはリイマジン盤)。本人の関連していない安易な作品発表は<墓場泥棒>のように見えてしまう場合があるのでそんなに好きではないのですが、リミックス&リマスターされた名曲「Walls」からライヴではお馴染みだった J.J. Cale のカヴァー「Thirteen Days」という流れが予想以上に良かったのは収穫でした。結局ファンはなんでも喜んでしまうという… お恥ずかしい限りです。
* Susanna Hoffs 『Bright Lights』
9年ぶり4枚目のソロは意外にもカヴァーアルバムでした。もともと The Bangles、そして Matthew Sweet とのコラボでもセンスの良いカヴァーを聞かせてくれていましたが、今回も選ばれた10曲全部が名曲揃い。個人的には2020年に亡くなった Emitt Rhodes が The Merry-Go-Round 時代に書いた「Time Will Show The Wiser」、The Monkees のシングルB面に収められていた「You Just May Be The One」(こちらも先頃亡くなった Michael Nesmith の作品)という大好きな2曲が入っていたのに感激。ほとんど話題にならなかったのは残念です。
* The Courettes 『Back in Mono』
ジャケットを見てわかるとおり<60’sポップ感>あふれるアルバム。デンマーク人の Martin Couriとブラジル人の Flavia Couri の夫婦ユニット。ジャケットのデザイン、Couri という名字から The Courettes と命名するなど Phil Spector 大好き感があふれています。音的には<ウォール・オブ・サウンド>ばりのエコーが効いてはいますが、ガールズポップの甘さは抑え目。ラウドで粗いサウンドは The Shangri-Las に近いものがあります。この手のユニットはネタに詰まって迷走し消えていくことが多いのですが、2人にはこれからもできるだけ長く楽しませて欲しいです。期待大。
13 Tak.“SPIKE” 岡山県 59歳
* John Smith 『The Fray』
たくさんのゲストを迎えて、彼にしてはかなりポップな音になっている気がします。ギターはもちろんいいですが、彼の声が好きなんです。
* Sarah Siskind 『Modern Appalachia』
John Smith のアルバム収録曲の作者クレジットに彼女の名前を見つけて、昨年発売になった最新作に出会いました。個人的に”appalachia “という単語に弱くて…(笑)
* Lake Street Dive 『Obviously』
彼らの、いつも以上にバラエティに富んだ、いつも通りに躍動感あふれる新作です。キーボードも固定メンバーになって、益々グループとしての演奏力が充実してきた感じです。
-カバー、トリビュート編-
* Various Artists 『Highway Butterfly : The Songs Of Neal Casal』
なんとCD3枚組というボリューム!どの曲も Neal を強く感じさせるのに、演奏しているアーティスト自身のテイストにも合っている気がして… 素晴らしいトリビュートアルバムだと思います。それにしても、Neal Casal は優れたソングライターであったと、あらためて感じました。合掌。
* A.J. Croce 『By Request』
久々に「ピアニスト」の本領発揮!選曲も抜群で、友人を集めてリクエスト曲を自宅で演奏するっていう感じ…最高です。
* My Darling Clementine with Steve Nieve 『Country Darkness』
Elvis Costello のカバー集を Steve Nieve といっしょに演ってます… 悪いわけないですよね(涙)
来年はライヴに行きたいなあ、と心から願っております。心穏やかな1年となりますように…。
14 土橋 博雄 東京都 64歳
1. 細野晴臣『あめりか』
11月に公開された映画「SAYONARA AMERICA」を鑑賞、たとえ@映画館とはいえ、大画面・大音響で細野さんのライヴを久々に堪能できて感動しました。とりわけ映画冒頭のテロップ「In Memories of No-Masking World」にやられ、ほんの2年前のことだぜ… としみじみ実感しつつ、帰宅後、年初のリリース時に愛聴した本作を再び聴き返しては余韻に浸っています。
2. Neil Young & Crazy Horse 『Way Down In The Rust Bucket』
長年聴き続けているヤング老師ですが、近年の怒濤の勢いでのアーカイヴ・リリースや公私にわたる様々な活動…そのすべてには首肯しかねるものの、偉大なミュージシャンの誠に残念な訃報が続くなか、お元気そうで何よりです。新譜の『Barn』においても、暴れ馬を引き連れて意気軒昂ぶりを存分に発揮しており、オールドファンとしては嬉しく思います。そんな多くの作品のなかで『Young Shakespeare』(特にその映像)と双璧をなしているのが本作。脂が乗り切ったクレイジー・ホースとの演奏が本当に素晴らしいです。
3. Brian Wilson 『At My Piano』
天才の真髄を遺憾なく(しかも最もシンプルな方法で)表現した涙腺崩壊必至の大傑作。問答無用です。
15 筒井 義樹 栃木県 57歳
* Leo Nocentelli 『Another Side』
* The Doobie Brothers 『Liberté』
* John Hiatt with The Jerry Douglas Band 『Leftover Feeling』
ここ例年になく新作CDを聴いた。そんな中から聴いていてヒリヒリした3枚を。
Doobies は予想をはるかに超えていた。Lucinda Williams の『Lu’s Jukebox series』は短期間で5枚もで追いかけるのが大変だったがそのどれもが良くて、一年通して一番聴いたかも。Charles Lloyd、Van Morrison、Los Lobos、Kate Taylor もよく聴いたが、随分と前のような気が。年の瀬は毎日のように Neil Young を。
個人的な favourites、Jackson Browne、John Hall、Orleans は、安定感があって楽しんだけど、純粋な新作ではなかったなぁ。
16 ナシゴレン・noah 東京・浅草
ラジオ番組がスタートして三年目の今年、素晴らしいアーティストがスタジオに来ていただきました。そんなみなさんの今年出会ったアルバムを選びました。
* 井上富雄『遠ざかる我が家』
ルースターズでスタートし、ブルートニックから佐野元春&ホーボーキングバンドと様々なアーティストのベースプレイヤーとして大活躍する井上富雄の最新作が届いた。彼のソロアルバムはその作品ごとにジャズ的であったり、アコースティックであり、時に地中海な空気感も実にいろんな音楽を吸収していたからこそ生まれる作品がここにある。1月のステブレに毎週このアルバムから「夜間飛行」が木曜の夜の街に流れます。
* Nanaco Sato and Susumu Osada 『Winter Rose』
70年代からその独特な世界観で独自の活動を続ける佐藤奈々子と佐野元春 with the Heartland や浜田省吾など様々なアーティストのギタリストとして大活躍する長田進のコラボ。直前に観たライヴではその世界は今までに体験したことのない暖かくも繊細な声と時に研ぎ澄まされたナイフのようなギターが絡み合う。名人の技を見せてもらったようだ。12月のステブレで毎週、タイトルチューンを流すと、自然と真夜中に音楽が溶け込む。今、この季節に一番聞きたい一枚。
* Dr. StrangeLove 『Dr. StrangeLove』
1997年にドラムスの古田たかし、ベースの根岸、ギター長田進の和製スーパートリオ。このアルバムはリスナーからのリクエストで知りました。それぞれの楽器の真剣勝負、まさにそれは洋楽だ。この時代にこんな素晴らしいアルバムがあったなんて、スタジオではヴォーカルの古田たかしがギターを片手に熱唱してくれた。改めてアルバムと聴き比べるとまた違う味わいがする。長田進の向かってくるギターが好きだ。こんなバンドを前に歌う、奥田民生やパフィーはどれだけ気持ちよかっただろう。90年代の和製ロックも捨てたもんじゃない。
17 Nobumitsu Shimizu 神奈川 68歳
* Neil Young & Crazy Horse 『Barn』
お気に入りは「Welcome Back」に映像。
* Neil Young & Crazy Horse 『Way Down In The Rust Bucket』
Neil Young の Live では、『Weld』の「Cortez The Killer」が大好きだったけど、この『Rust Bucket』の「Like A Hurricane」も大好きになりました。
* 中島みゆき『転生 TEN-SEI』
The Mirage Hotel … 一日中 ピンポイントでリピ〜ト 飽きません。
* Joni Mitchell 『Archives Vol.2: The Reprise Years 1968-1971』
Woodstock に Get Together うれし〜な〜♬
18 百間 新潟県 44歳 https://twitter.com/hyakuken
1. TrySail 『Re Bon Voyage』
2. DIALOGUE+『DIALOGUE+』
3. オーイシマサヨシ『エンターテイナー』
以下次点(洋楽ABC順、邦楽50音順)
Compadres『Mannasiya』、Hamdi Benani, Mehdi Haddab & Speed Caravan『Nuba Nova』、Massilia Sound System『Sale Caractère』、Michel Portal『MP85』、Okuté『Okuté』、Paulo Flores『Independência』、笠原弘子『New Kissako』、下田逸郎『河を渡る』、パソコン音楽クラブ『See-Voice』、Liella!『リエラのうた』
1は声優/歌手の麻倉もも・雨宮天・夏川椎菜のユニットの4thアルバム。スタートボタン押したらラストナンバーまで一分一秒たりとも耳離せない、太陽のように生命力溢れ、でも晴天翔けるような軽やかな、歌声の輝きに心クギ付け12曲の旅路何度も満喫しました。
2は女性声優8人組の1stフルアルバム。声と音の万華鏡のように彩鮮やかで謎めいて、でも晩夏の夜空と語らうような親しみ湧いて、ときめき、熱情、郷愁、感傷、閃光のように心射して震わせる歌世界聴き終える度、「スゴイものを聴いた」余韻かみしめました。
3は男性シンガーソングライターの1stアルバム。収録曲の殆どがアニメ作品等「誰かのため」に紡がれたもの、でもアルバムとして聴くと通底する輝き、物語担う誠実さや聴き手への暖かい眼差し、音を楽しむ瑞々しい情熱に心揺さぶられました。
流行り病と向き合う2年目は専らSTAY HOME中心の日々でしたが、暮れには現地LIVE参加も再開することができました。続々届く素敵な新譜に心躍らせつつ、「人生のオールタイムベスト」100アルバム・100曲を選んで30年余の音楽生活を振り返り、懐かしくも新しい気持ちで音楽と向き合えた1年でした。2022年は先ず配信LIVEで惹かれた音楽家の現地LIVE参加、制作開始の吉報届いたClariSのアルバムを楽しみに。
19 福田 秀貴 東京都 53歳
* Rhiannon Giddens with Francesco Turrisi 『They’re Calling Me Home』
* Bob Dylan 『Springtime In New York: The Bootleg Series, Vol. 16』
* The Rolling Stones 『Tattoo You: 40th Anniversary Edition』
色々買ってはいると思うのですが、去年と今年の記憶が一緒になっていますが、
印象に残っている3タイトルです。
20 藤田 修 北海道札幌市 62歳
<新譜編>
1. Nick Lowe & Los Straitjackets 『Live At Haw River Ballroom』
シンプルな歌と演奏の、力の抜け具合と気合の入れ具合のバランスが最高な、今年最高のロックンロール・アルバム。年季の入ったロックンロールは強い。
2. Matt Berry 『Blue Elephant』
イギリスの俳優兼シンガー・ソングライターの宅録アルバム。アナログな質感と、じんわりと漂うサイケデリックな佇まいが素晴らしい。
3. Los Lobos 『Native Sons』
昔から贔屓のチカーノロック・バンドのロサンゼルスにゆかりのある楽曲のカバー・アルバム。選曲、演奏共に素晴らしく、思わず聴き惚れる。
<再発編>
1. Neil Young 『Archives Vol.Ⅱ』
ニール・ヤングの1972年から1976年にかけての録音集CD10枚組。この時期のニール・ヤングは無敵。楽曲がほぼ録音順に並ぶことでいろいろと発見も多い。
2. Bruce Springsteen & The E Street Band 『Legendary 1970 No Nukes Concerts』
かつてノー・ニュークス・コンサートのオムニバス・ライブ・アルバムで聴いて興奮した「デトロイト・メドレー」が映像付きで蘇るとは思わなかった。しかもライブをフルセットで!素晴らしい!
3. Aretha Franklin 『Aretha』
アレサ・フランクリンのオールタイム・ベストCD4枚組。どこを切り取ってもアレサ・フランクリン。あの唯一無比の歌声をお腹いっぱい聴ける。有難や。
21 真紀 東京都
1. Bob Dylan 『Springtime In New York: The Bootleg Series, Vol. 16 (1980-1985) [Deluxe Edition]』
今年も Dylan から元気をいただきました。5枚の中でも、Disc 1をよく聴きました。「80年代のDylan もカッコイイじゃないか!」と新たな収穫になった気がします。中でも「This Night Won’t Last Forever」を Dylan が演っているのには大変驚きました。一番のお気に入りかも。Dylan の配信ライブも素晴らしかったですね。
2. The Band 『Stage Fright [50th Anniversary Edition]』
フラットマンドリンを弾くようになって(?)、より一層 The Band に夢中になっています。このような Anniversary Edition が出るたびに、そのアルバムをよく聴くので後追いの私にとっては、そのアルバムの良さを再確認でき、やっぱり楽しいです。もうすぐ発売される『Cahoots (50th Anniversary Edition)』も楽しみです。
3. George Harrison 『All Things Must Pass [50th Anniversary Edition]』
今年は George 祭りでもありました。2月に『1970』が出て、そして、こちらの 50th Anniversary Edition。オリジナル ver.が好きとか、今回の ver.が好きとか、こうやって、George の音楽が話題になる(話題にできる)だけで嬉しいんです。例の木箱も「買う?買えない~」と話題になって楽しかったな~♪
こうやって Best 3を 並べてみると、「~Edition」ばかり・・・
でも、いずれも後追いなので、まだまだ聴き足りておらず、新しい発見があってやっぱり楽しいです。
22 増田 和彦 千葉県 59歳
1. Bruce Springsteen & The E Street Band 『The Legendary 1979 No Nukes Concerts』
私にとっては夢の実現。映像も音声も今年どころか生涯のトップクラス。
2. John Hiatt with The Jerry Douglas Band 『Left Over Feelings』
ジェリー・ダグラスって知らなかったんですけど、すごいキャリアなんですね。これは最高の顔合わせ!
3. Robert Plant & Alison Krauss 『Raise The Roof』
こちらもブルーグラスの人との顔合わせ、こういう歳の重ね方は素晴らしい!
4. Dion 『Stomping Ground』
素晴らしい共演者ばかりの最高のブルース・アルバム!
23 松井 慎一 神奈川県 66歳
1. Neil Young 『Archives Vol.Ⅱ(1972-1976)』
新譜・旧譜取り混ぜて、今年も沢山のリリースがあり、このアルバムも、気が付けば何度も聴きました。ニール・ヤングは、単に過去を「振り返っているだけ」ではなく、「前に進む」ために、Archives を編んでいると思います。因みに、76年の武道館には、私も居ました。
2. David Crosby 『For Free』
2014年に約20年振りのソロ・アルバム『Croz』を出し、その後も新譜をリリースし続けてくれていますが、復活後5作目となる本作品。若い人たちの力を借りながら、どんどん調子が上がっていく、という「恐るべき80歳」です。
3. クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング『デジャ・ヴ~50th アニヴァーサリー・デラックス』
結局、約50年前に聴いた時に気に入った、「コンビネーション、ハーモニー、リズム等」が色々な音楽を聴く際の「ベース」になっていることを改めて感じました。
上記以外では、新旧を問わず、ジョニ・ミッチェル『アーカイヴスVol.2(1968-1971)』、岩崎宏美『筒美京平シングルス&フェイバリッツ』、John Sebastian & Arlen Roth『Explore The Spoonful Songbook』、Declan O’Rourke『Arrivals』、Emmylou Harris『Ramble In Music City』といったところが印象に残りました。
最後に、今年の「マイ・ブーム」は、通勤時に、Grateful Dead の Dave’s Picks や Road Trips のシリーズを「録音年月日」順に聴き直し。電車の中でも、気分は Deadheads でした。
24 松波 宗義 八王子市 76歳
1. John Mayer 『Sob Rock』 (2021)
2. Henry Perker 『Silent Spring』 (2019)
3. Carolina Chocolate Drops 『Genuine Negro Jig』 (2010)
2021年はコロナ禍によって普段の楽しみであるライブ、ロック・バー/レコード店巡り等はほぼ全滅、唯一ネットでのレコ掘りに明け暮れた一年でした。デルタ〜オミクロン、まだまだコロナとの戦いは続きますが、来年もグッド・ミュージックにたすけられ生きのびて行くつもりです!
年間BEST3ですが、今年は届いたばかりのホヤホヤの新盤をトップにして、比較的新しいところを選んでみました。
25 Mayumi Abe 東京都 https://www.facebook.com/heartbreakers.jp
* Lindsey Buckingham 『Lindsey Buckingham』
* The Wallflowers 『Exit Wounds』
* Micky Dolenz 『Dolenz Sings Nesmith』
新しい音楽を聴くことが少ないので必然的に好きなアーティストの新譜3枚となりました。それぞれ持ち味の出ている良い作品だと思いますが、地味めなので話題性には乏しいかもしれません。それでも新しい作品を発表してくれることはファンとして何よりも嬉しいものです。
26 MOTO 西東京市 56歳
1. Bruce Springsteen & The E Street Band 『The Legendary 1979 No Nukes Concerts』
2. Los Lobos 『Native Sons』
3. Lucinda Williams 『Southern Soul』
4. Silk Sonic 『An Evening With Silk Sonic』
5. Michael Stephenson & Alexander Claffy 『Michael Stephenson Meets Alexander Claffy with His Trio』
テレワークも丸2年。生活スタイルの変化を愉しむ術も少しづつだが身についてきた気がする。音楽との出会い。2021年も充実していたな。
ボスの伝説的コンサートの完全版①。ダークネス・ツアー時期(1979)のエネルギッシュなボスとEストリート・バンドのパフォーマンスは凄まじく、特にマックスのラウドなドラムスには圧倒された。ロスアンゼルスのミュージシャンの楽曲ばかりをカヴァーした②は、ロス・ロボスというバンドのもうひとつのルーツを垣間見せてくれていて心底楽しんだ。ルイジアナのR&B名曲をスタジオ一発録り!?のような生々しさと迫力で聴かせてくれたルシンダの③は、これまでのカヴァー・アルバムの概念を覆す解釈が新鮮だった。
ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるスウィート・ソウル・デュオ④は、彼らのピュアな音楽愛にまたしても心打たれる結果に。とても心地よいハイテナー・ヴォーカルも魅力のサックス奏者の⑤は、移動しながら、酒を飲みながら一番聴いたアルバム。映画では、デウィッド・バーンのアメリカン・ユートピアが最高だった。
27 森 陽馬 東京都 47歳
* Lake Street Dive 『Obviously』
2004年結成ボストン出身男女混成バンド、レイク・ストリート・ダイヴ。光が射すように前向きなサウンドと、レイチェル・プライスの伸び伸びとした歌声が素晴らしい!
* 空気公団『僕と君の希求』
青森出身、山崎ゆかりによるユニット、空気公団。懐かしい友人から手紙が届いたような、心躍りつつ、ほっこりと温まる傑作。
* Neil Young & Crazy Horse 『Barn』
76歳を迎えたニール・ヤングが、ロッキー山脈の大自然に佇む丸太小屋で、気心知れた仲間と録音した新作。10CD BOXや、昔のライヴ音源発売もうれしかったですね。
28 若松 隆 埼玉県
1. Lucinda Williams 『Lu’s Jukebox Vol. 1~6』
コロナ禍で発表されたルシンダ・ウィリアムスの配信スタジオライヴ<Lu’s Jukebox>シリーズの6枚は、今年繰り返しよく聞いた。特にボブ・ディラン・カヴァーのVol.3は格別。
2. Neil Young & Crazy Horse 『Way Down In The Rust Bucket』
ニール・ヤングのこのアルバムは 『Ragged Glory』時代のライブ音源。ニール・ヤングはこのアルバム以外にも過去の音源が立て続けに発売され、年末には新譜も発表。彼のパワーに圧倒される。
3. 仲井戸麗市『Dessin Vol. 5~6』
仲井戸麗市のアルバムは、不定期だがコンスタントに発売されている「デモ音源的な」Dessin シリーズの、今年発売された2枚。そのベスト盤『Dessin Best Selection 2019-2021』も年末に発売された。
29 天辰 保文 千葉県 72歳
* Steve Earle & The Dukes 『J.T.』
* Hiss Golden Messenger 『Quietly Blowing It 』
* The Felice Brothers 『From Dreams To Dust』
この1年、怠惰を決め込んだというか、時間の流れに逆らうように過ごしたような気がするけど、それに付き合ってくれたアルバムを並べていくと、こういう形になった。スティーヴ・アールの息子を悼む父親の歌声には、涙なくして聴けなかった。
この3枚と同じく、時にはそれ以上に時を共有してくれたのは、チャールズ・ロイド&ザ・マーヴェルズ(『Tone Poem』)、ピノ・パラディーノ、ブレイク・ミルズ、サム・ゲンデルらが集まった(『Notes With Attachments』)、ビッグ・レッド・マシーン(『How Long Do You Think It’s Gonna Last?』)の3枚だった。
もちろん、ブルース・スプリングスティーン(『The Legendary 1979 No Nukes Concerts / Springsteen E Street Band』)には圧倒されたし、ジョン・ハイアットとジェリー・ダグラス・バンド(『Leftover Feelings』)、ジャクソン・ブラウン(『Downhill From Everywhere』)、ブラック・キーズ(『Delta Kream』)も良く聴いた。だけど、いちばん部屋で流れていたのをあげれば、『Neil Young Archives Vol.2(1972-1976)』の10枚のCDたちでした。
終息しかけたかと思ったのも束の間、なかなか終わりがみえてきませんね。昨年に続き、日課と言えば近所の散歩ていどの暮らしでしたが、それでも、季節の変化によって街の景色も、行き交う人々の表情も変わり、そこでは、いろんな人たちがいろんな形でこの苦境に向き合い、それなりに暮らしを重ねていて、そうやって日常が描かれているんだと当たり前のことを痛感せずにはいられない1年でした。つまり、どんな暮らしを欠いても、日常は存在しえないのだと。
まだまだ予断を許さない状況が続くかもしれませんが、ニール・ヤングが仲間たちと、新作『バーン』の中で幾度となく歌いかける「愛を忘れるな」という言葉を深く吸い込みながら、また、1年後にここでお会いできるように、お互い元気でいましょうね。
2022年 1月 天辰保文