今年出会ったアルバム 「BEST 3」 * 2025年


1 赤谷 隆一  世田谷区  69歳

1. リトル・フィート 『Strike Up The Band』

前作はサム・クレイトン Vo.をフューチャーしたブルースのカバー中心の、渋くて原点回帰のようなアルバムでしたが、そこから好調持続、更にパワーアップしていて躍動感に溢れた現役バンドとしてのリアルタイムの素晴らしいアルバムを届けてくれました。発表前後にはここからの新曲のライブ映像が多くネットに流され、嬉しかったなあ。また日本で直接聴けること会えることを楽しみにしています。

2. ニック・ロウ & ロス・ストレイトジャケッツ 『(Not) Indoor Safari Vol. 1』

これまた、早く日本で観たいです。バンドは以前に知り合いから教えてもらっていましたが、見た目先行で避けていました。でも聴いていくと徐々に良くなってきました。N・ロウ教授も肌合いがいいのでしょう、以前よりもお互いの共演が最近は多いのかと。ロックパイルの時より哀愁度がやや多めのロックンロール伯父さんたち。カッコよく「ハート・オブ・ザ・シティ」などお願いします。

3. ディーコン・ブルー 『The Golden Western Road』

こちらも元気な便りです。昔からあまりこのバンドがスティーリー・ダン好きとは思っていなかったけど、「レインタウン」などの街の情景に若者の焦燥感を浮かび上がらせるような、でも前向きに歩く、といった姿勢が好きでした。今はどっしりとそんな聴く人たちの心も受け止めてくれているようです。唯一の来日公演のクラブクワトロで、もみくちゃにされながらの時間は少しだけ自分にグラスゴーの街を想像させてもくれましたよ。早くからバカラック好きを表明していたのも嬉しかったです。

(順位はありません)

その他、レイヴェイの軽やかな幸福感ある曲たちに1㎝身体が浮いて、ラーキン・ポーの骨太ラップ・スティールに胸躍らされました。ありがとうございました。25年は最初から最後まで体調を崩してずっと病院にいて、トッドもM・ステイプルズもクラプトンも泣く泣くキャンセルした最悪の1年でした。それでも<Best 3>に間に合ってよかったです。戦禍と自然災害がいまだ収まらないなかではありますが、僭越ながら皆さんどうぞお元気でまた!


2 石川 浩雄  茅ヶ崎市  65歳

* Rodney Crowell 『Airline Highway』

大先輩ですが衰え知らず、元気一杯の佳作です。

* 若林マリ子 『Art de Vivre』

たぶん同年代。不覚にも40年も前から作品発表されてた事知らずに手にして。驚きの歌唱力、パフォーマンスにただただ感激!

* Mei Semones 『Animaru』

たぶんうちの娘より10歳以上若い才女。ギターもよく鳴ってるし、曲も声も素晴らしかった。


3 伊東 潔  千葉県  70歳

1. Jordana 『Lively Premonition』

2. Mei Semones 『Animaru』

3. moon bird 『Forest』

(順位はありません)

毎年、CD購入が減っています。YouTube 等の配信で音楽を聴く傾向が強くなり、そして気になる海外のミュージシャンが配信、アナログ盤のリリースのみでCDリリースがない場合があり、極めて幅の狭い選択になったことを最初に申し述べておきます。

そのなかでの2025年の3枚。
1 は、アメリカのインディーズのポップ・ミュージックの女性歌手の2024年リリースの1枚(2025年の新作『Jordanaland』がありますが)。’70〜’80年代のアメリカン・ポップ他の影響を感じながらもバラエティー豊かなサウンドが良かった。

2は、日系アメリカ人の女性 SSWのアルバム。何と言っても日本語と英語が並置した歌詞で歌われる歌が違和感なく耳に届きました。ジャズ・ギターを学んだギターの腕前が歌の隅々までいかされています。フジロック出演他で日本でも認知され、今年の来日公演が楽しみです。

3は、ビューティフルハミングバードと tico moon のプロジェクトの初めてのアルバム。ギター2本、ハープ(竪琴)、そしてヴォーカルの4人組の奏でるアコースティック・サウンドは、昨今の日本のポップ・ミュージックのなかでは貴重というと大袈裟かもしれないが、小さな音楽の宝物のような印象を受けます。

さて、 配信でよく耳にしたのは、Kendrick Lamar と SZA の「Luther」、Yellowcard の「Better Days」、StrongBoi の「Be Fine」、Jeff Tweedy の「One Tiny Flower」、Laufey の「Lover Girl」、Nagakumo の「贅沢な週末を」、Gab Ferreira の「Quando Eu Olho」、Turnstile の「Never Enough」等です。


4 川勝 敏弘  群馬県  67歳

1. タジ・マハール&ケブ・モ 『ルーム・オン・ザ・ポーチ』

2. マリア・マルダー 『ワン・アワー・ママ: ザ・ブルーズ・オブ・ヴィクトリア・スピヴィー』

3. メイヴィス・ステイプルズ 『サッド・アンド・ビューティフル・ワールド』

1. 2人のコラボ作品はグラミー賞を受賞した前作『タジモ』から8年ぶりで今回の新作は前作以上にご機嫌で素晴らしいアルバムに仕上がってますね。

2. 12曲中6曲が彼女が影響を受けた女性ブルーズ・シンガー「ヴィクトリア・スピヴィー」の曲のカヴァーでタジ・マハールやエルヴィン・ビショップとのデュエット曲も収録されてます。

3. 現在86歳のメイヴィス・ステイプルズの通算14作目となるソロ・アルバムで魂に響く渾身の作品に仕上がってます。

その他、印象に残っているアルバムではジョン・クリアリー、ニール・ヤング、リトル・フィートもよく聴きました。企画ものはジョニー・テイラー のスタックス時代のシングル集、ア・トリビュート・トゥ・ザ・キング・オブ・ザディコ、ニック・ドレイク『ザ・メイキング・オブ・ファイヴ・リーヴス・レフト』。

以前より家で過ごす時間が多くなり2025年リリースの作品も数多く聴く機会が増えました。還暦を過ぎてからは好みの音楽も絞られて来た感じがします。


5 北九ジャロイド  福岡県北九州市小倉北区  https://instagram.com/jaroyde

主に自分のお店(Bar)で聴いています。

1. Akiko Yano Trio ftr. Will Lee & Chris Parker 『Live at Blue Note Tokyo 2025』

流石としか言いようがないライヴ演奏。中でも亡き坂本龍一と高橋幸宏のトリビュート的にYMOの「Rydeen」を原曲のイメージを保ったまま生演奏するところも憎い。

2. Jon Cleary 『The Bywater Sessions』

ニューオリンズ音楽の伝道師。イングリッシュマン in ニューオリンズなジョン・クリアリーは、地元ミュージシャンと共にハッピーミュージックを繰り広げる。これ聴いて身も心も躍らない人は居ないだろうと思いました。

3. Boz Scaggs 『Detour』

本気でブルースやリズム・アンド・ブルースに取り組んだ『Memphis』から前作までの3作は素晴しかったけれど、昔からイメージの変わらないボズの声によるヴォーカルジャズも全く退屈しなかった。バックの演奏もとても良く、何度も聴いています。


6 キーノ(こと木下康之)  東京都  67歳  https://kino1958.hatenablog.com

- 新譜編 -

1. Van Morrison 『Remembering Now』

歌詞は幾つか外注しているが、全14曲自作のオリジナル・アルバム。歌とギター、サックスで綴るヴァン節に捨て曲なし。大河の様に流れる歌声に身を任せるのは心地よい。「Stomping Ground」の終盤で朗々と聴かせるサックスのソロが一際美しい。過去の遺産を大箱にし、リスナーから搾取する奴らに比べ、新作をリリースし続けるVanに潔さを感じて仕方がない。しいて言えば、力の入っていないアート・ワークがマイナス・ポイントか。

2. Taj Mahal & Keb’ Mo’ 『Room On The Porch』

二人でのユニットの2nd。10曲中オリジナルは7曲。ブルースマン同士だが、Keb は Kevin Moore 名義での1stソロがなかなかのAORだった様に、明るい曲を作る人。カバー曲を除けば、ブルージーと言うよりもフォーキーな色合いの強い作品集。Keb 主導なのか、彼の歌と演奏が Taj に優っている。バンド演奏の中でクリアなギターの響きが素敵だが、力感溢れる「Thicker Than Mud」にも惹かれる。Ry と Taj とのデュオとは違った魅力がこの二人にはある。

3. Anderson East 『Worthy』

スローな曲での囁きかける様な歌いっぷりにゾクゾクさせられる。初曲の「I’d Do Anything」のサビがThe Manhattans の「Shining Star」を思わせるなど、色々とインスパイアされている様だがそれもまた良し。名匠 Dave Cobb と本人の共同プロデュース作は、ソウルフルな歌声が溢れる力作だ。生で聴きたい人です。


- 再発・発掘編 -

1. Various 『アカサカ・ソウル デラックス』

2. Various 『The Roger Nichols Songbook』

3. Daryl Hall & John Oates 『The Philly Tapes』

1は2014年に和製ソウル&グルーヴの編集盤として「オリジナル編」と「カヴァー編」として出された2枚を新たに2枚組として再リリース。時は1968年から1978年、洋楽から影響を受けた邦楽には、TVで流れる歌謡曲とは一線を隔した黒いグルーヴを感じさせるものが存在した。跳ねたリズムの演奏陣に負けない力強い歌声を聴かせる歌手たちのオリジナル曲にKO寸前。しばたはつみ、弘田三枝子、堺正章等々どれも素晴らしい。そんな中に、ちあきなおみの「夜へ急ぐ人」(友川かずき 作)が収録されているのが目を引きます。カヴァーものは頑張っている感が強いが、昭和の時代に歌える歌手とそれを支えるプレイヤーが沢山いた事を思い出させてくれる。日本コロンビア音源集、2枚組40曲で3,080円(税込)の価格もナイスです。

2は日本主導で出された Roger Nichols のライフタイム楽曲集。The Small Circle Of Friends の近年盤リリースにも尽力した濱田高志と Roger 本人による選曲。ポップス/ソフト・ロックな楽曲は今聴くと尚更爽やかである。森山良子とトワ・エ・モアが入っている辺りが日本制作らしいかも。ある種貴重です。リリース前に Roger が急逝してしまい、思わぬ追悼盤になってしまったのが悲しい。ブックレットの盟友 Paul Williams と朝妻一郎の掲載文は弔文の役割も。しかしブックレットには丁寧な説明文や歌詞、日本語訳などもあり、細やかな作りに国内盤の良さを感じずにはおられない。解説により Carpenters や Herb Alpert が収録されていない理由も知る事となる。2分台の曲がかなりあるのもシングルの時代を偲ばせる。2枚組42曲収録で2,860円(税込)の大盤振る舞い。

3は Hall & Oates がアトランティックと契約する以前に録音した未発表音源集。若き日の彼らの声はまだ青く、Blue-Eyed Soul の萌芽はまだまだ先だった様だ。それでも1stに収録する「They Needed Each Other」と「Goodnight And Goodmorning」の初期バージョンが聴けるのは嬉しい。そして Hall が Tim Moore などと組んでいた Gulliver の「The Reason Why」(Tim作)も聴ける。デモなのだろうが、完成度はかなり高い。


7 齋藤 皓太  千葉県  71歳

うーん、今年は今までで一番の凶作年でしたねえ。5枚選べないもの・・・。来年早々のルシンダに期待!

1. ロン・セクスミス『ハングオーヴァー・テラス』

何度も聴いたのはこの一枚だけかな。傑作ではないけど、落ち着きます。

2. ボズ・スキャッグス 『デトゥアー』

ライブが良かったですけどね。ここまで行ってしまうと・・・。

3. ヴァン・モリソン 『リメンバーリング・ナウ』

コロナ騒動以来毛嫌いしていたけど、考えてみれば、最初から変人なんだと思い直して聴きました。

ライブではボズ・スキャッグスとポール・ブレディが良かったですね。編集盤ではビートルズとスプリングスティーンのものは面白かったけど、ずっと聞くものじゃないかな。


8 齋藤 楽紘  西東京市  60歳

1. Original Soundtrack (Ry Cooder) 『Paris, Texas』

2. Gabi Hartman 『La femme aux yeux de sel』

3. Kenny Burrell 『Introducing Kenny Burrell』

2025年は、定年退職のひと月前に転職を決めたり。ひとり娘がワーキングホリデーで渡韓するなど。一気に日常生活が変わった。前年には精神的支柱を失って。いわゆるアイデンティティクライシスに陥った。そんな中。ヴィム・ヴェンダース監督の「パリ、テキサス」が公開40周年記念で劇場公開されるのを知って終演間際にギリギリ観ることができた。二十歳前後の初見時には全く理解できなかった主人公トラヴィスの心情が痛いほど伝わり。あらためてサム・シェパードの偉大さを認識。還暦にして、やっと大人になれた気がした。そして、過去に囚われず、こだわりを手放すことを学ぶことで、生きることがとても楽になった。辛うじて社会と繋がりながらも漂流しているような毎日に絶妙にフィットしたギャビ・アルトマンは、多国籍でボーダレスな楽曲が心地よく今夏一番聴いたんじゃないかな。年末に久しぶり訪れた地元のジャズ喫茶で流れていたケニー・バレルのデビュー盤の衝撃。candido のコンガに惚れ込んでしまった。これに触発されて2026年に挑戦したいことが決まった。


9 榊󠄀原真久  北海道   55歳

1. Mavis Staples 『Sad And Beautiful World』

冒頭こそデルタぶちかましで鳥肌ものでしたが、全体に穏やかな音像でそれが一層沁みました。

2. Sierra Hull 『A Tip Toe High Wire』

前作は若干ポップ寄りでしたが、今作はまたブルーグラスをしっかり感じる硬軟バランスの取れた良作でした。

3. Youssou N’dour 『Light The World』

久々のユッスー、ポリリズム全開で歌声も衰えなし、否応なく血流上がりました(笑)。


10 坂下 栄一  江戸川区   68歳

1. Kathleen Edwards 『Billionaire』

どこかで聴いたことがあるような、耳に自然となじむ歌い方とメロディ。70年代を思わせる、懐かしくて温度のある空気感が心地いい。昔から知っていた曲のようで、気づけば静かにハマっていました。

2. Bernie Leadon 『Too Late To Be Cool』

77年の『Natural Progressions』は、当時よく聞いていました。今作も何か聞いていてホッとする気持ち良さがありました。

3. The Bros. Landreth 『Dog Ear』

Bonnie Raitt の曲をきっかけに知ったバンドでした。以前のアルバムを聴くと Lowell George への深いリスペクトが伝わります。今作では Bonnie Raitt 本人も参加し、とても気持ちのいい一枚です。


11 笹野 恒夫  神奈川県  71歳

* Anya Hinkle 『oceania』(2024)

* Nick Lowe 『Indoor Safari 』(2024)

* Ronnie Wood 『Fearless: Anthology 1965-2025 』(2025)

昨年、Cat Power のコンサートも、忘れられないものとなりました。


12 Takashi Iwata

2025年は特に、ニール・ヤング、パティ・スミス、ブルース・スプリングスティーンの活躍が印象に残った年でした。よって以下がベスト3ですね。

* ニール・ヤング 『Talkin To The Trees』

* パティ・スミス 『Horses』

* ブルース・スプリングスティーン 『Nebraska』


13 高橋 俊博  東京都  63歳  https://x.com/heartbreakersjp

* Benmont Tench 『The Melancholy Season』(2025)

11年ぶりのソロアルバム。完成しリリース情報が発表されましたが、自身の体調問題やパンデミックもあり、当初の予定より1年半経ってようやく発表された作品です。今回はカヴァーは無く全13曲全部が彼の作品。美しいメロディや歌詞が作り出す静謐な美しさに満ち溢れたアルバムでした。

* Masaaki Sakai & Rockon Social Club 『プンスカピン』

年末のレコード大賞、紅白歌合戦などで彼らの演奏をご覧になった方もいらっしゃると思います。私もテレビの前でミリタリールックに身を包んだ”マチャアキ”が79歳とは思えない歌声を聞かせてくれたことにただただ驚き・感謝し目頭を熱くしていました。GS時代の作品をオマージュした表題曲以外に「あの時君は若かった」「さらば恋人」のカヴァーも収録されていて、小さいころから The Spiders のファンだった自分にとっては最高の贈り物でした。バックを務めてくれた Rockon Social Club(元男闘呼組の4人、寺岡呼人、青山英樹)も最高!!

* Pete Droge 『Fade Away Blue』

この人のアルバムはほぼ全部聞いてきましたが、こんな穏やかな作品は初めてかもしれないです。90年代後半から2000年代初頭にかけてのアルバムや Matthew Sweet、Shawn Mullins と組んだ The Thorns の頃のアグレッシブさやラウドなギターは影を潜め、少ない楽器編成で変わらぬ美しいメロディを紡いでいく姿は尊ささえ感じさせました。もう少し売れて欲しいミュージシャンです。

今年は The Band の<The Last Waltz>が50年を迎えます。なので、天辰さんのお話を聴ける機会が例年以上に増えるのではないかと密かに期待しています。


14 Tak.“SPIKE”  岡山県  63歳

今年は YouTube がオススメしてくれた3枚になりました。

* Billy Bragg 『The Million Things That Never Happened』

2021年の作品ですが、発売されたことに気づいていませんでした。コロナ禍を経て彼が感じたことを綴ったとおぼしき歌詞が(正確に英語を理解できていないかもしれませんが)「刺さり」ました。ジャケットもお気に入りです。

* Bernard Fanning 『Tea & Sympathy 20th Anniversary Edition』

オーストラリアのアーティストのようですが、全く存じ上げませんでした。20周年記念盤なのでオリジナルは2005年発売ですが、時代の流行り廃りとは無関係の音楽であり、20年経っての再演バージョンも良かったです。

* Kathleen Edwards 『Covers』

こちらはフィジカルでの購入はできませんでしたが、選曲もゲストもとても気に入った1枚でした。オリジナルの新譜『Billionaire』も良かったのですが、こちらの方がよく聴いていました。

以上の3枚ですが、その他では、Ron Sexsmith、I’m With Her、Molly Tuttle、Autumn Defense、Tift Merritt、Deacon Blue の新譜、Chrissie Hynde のデュエット集などをよく聴いていました。

残念だったのは、Stephen Bishop が「ラストアルバム」を発表したこと、Madison Cunningham、The Beths の新譜が期待通りではなかったこと、そして年の最後になって Chris Rea が亡くなってしまったこと、です。これからしばらくは Chris のアルバムしか聴かないかも…

買うつもりのなかった BOSS の『Nebraska』BOXは、映画「孤独のハイウェイ」を観たこともあり購入してしまいましたが、結局オリジナルの素晴らしさを再認識したのみ(それが大切だと思っていますが…)でした。


15 田中 一也  京都府  58歳

1. Jon Cleary 『The Bywater Sessions』

ホーンセクション、パーカッションも加わった待望の新作。2025年にこんなにも楽しくて体を揺らしたくなる人力音楽を届けてくれて本当にありがとう。このアルバムを引っさげての来日公演は1曲目からアクセル全開という感じで、こちらも足がつりそうでした、それはもう最高でした。

2. Jeff Tweedy 『Twilight Override』

Jeff Tweedy の新作は凄い、まさかのCD3枚組。静かだったりうるさかったり、穏やかだったり不穏だったり、普通なようで普通じゃなくて、ついついリピートしたくなります。同い年なんです。キャリア40年近くになって、こんなにもフットワークの軽い素晴らしいアルバムを作るって、なんて凄いことなんだろう。昨年ここに挙げたジョーパーニスと同様にこれからも元気で居てほしい、という気持ちです。

3. Deacon Blue 『The Great Western Road』

結成40年にして、最後のスタジオアルバムと言われているアルバム。今作も変わらぬ熱くてキラキラして美しくソウルフルな作品です。6月には創設メンバーの一人キーボード奏者の JamesPrime を病気で失いました。ちょうど40年前の1986年に高校を卒業して一人暮らしを始めた自分と彼らの音楽は今日までずっと一緒でした。ありがとう。

手術を受けてから3年と10か月が過ぎました。病気になる前と後では、体力は随分と落ちましたが違う身体と違う心を持つようになった気がしています。12月には Paul Brady(78歳)の素晴らしい来日単独公演に立ち合えたことが特に嬉しかったです。今年も上記以外にたくさん素晴らしいアルバムや演奏に出会うことができました。ミュージシャンたちに感謝。


16 Nao Yamamoto  Toronto, Canada  45歳

* Jeff Tweedy 『Twilight Override』

* Florry 『Sounds Like …』

* Pete Droge 『Fade Away Blue』

今年は正直なところ、あまり新作を追いかけられなかった一年でした。そんな中でこの企画に参加するのは少し気が引けるのですが、「ベスト3」ということで、今年よく聴いた、印象に残ったものを素直に挙げてみます。

まず1枚目は Jeff Tweedy『Twilight Override』。Wilco のリーダー、相変わらず本当に多作で、今回はなんと3枚組。でもダレる瞬間がない。“Jeff can’t write a bad song”という言葉を、今回も改めて実感しました。曲調もバラエティ豊かで、気分に合わせてどこから聴いても楽しめる。その中でも「Lou Reed Was My Babysitter」。このタイトルだけで、もう聴きたくなりませんか。僕はなりました。

2枚目は Florry『Sounds Like…』。フィラデルフィア出身のバンドで、音楽ライターの赤尾美香さんが紹介していたのをきっかけに聴いてみたら、見事にハマりました。さらに調べてみたら、なんと翌日にトロントでライブがあると知り、これは運命だと思って観に行くことに。今年の個人的な“発見”であり、思い入れもひとしおです。アルバムタイトルの『Sounds Like…』もそうですが、オープニングの「First it was a movie, then it was a book」というタイトルがまた、妙に想像力を刺激してくる。結果、期待をまったく裏切らない一枚でした。

3枚目は Pete Droge『Fade Away Blue』。90年代に Brendan O’Brien プロデュースでアルバムを出していた、アメリカンロック好きには懐かしいシンガーソングライター。1996年だから…もう30年近く前になるんですね(怖い)。そんな彼が、14年ぶりに新作を出したと聞いて「どれどれ」と聴いてみたら、これが良かった。あの甘い声は健在で、懐かしさもありつつ、自然と何度も聴いてしまいました。

そして… 今年いちばん再生したのは新作ではないのですが、Wilco『A Ghost Is Born』20周年記念デラックス・エディションでした。当時も相当聴き込んだアルバムですが、今回も結局こればかり。特に全曲のオルタネイト・ヴァージョンを収録した盤が素晴らしく、曲が出来上がっていく過程が垣間見えるのが面白い。中にはブルージーで、オリジナルとはまったく違う表情を見せる曲もあって、「オルタネイト盤だけでも名盤じゃないか」と思ってしまいました。未聴の方がいたら、ぜひ一度。高額ですがLPで購入を。


17 中安 亜都子  

* Betcover!! 『勇気』

25歳にしてキャリア8年。柳瀬二郎率いるエクスペリメンタル・ロック・バンド Betcover!!。イマジネーションの赴くままに書いたかのようなシュールな歌詞と陰影に富んだメロディの流れが美しい。昨年は彼らを聴きまくった。

* M.Ward 『Transfiguration Of Vincent』

すでにかなりの数のアルバムをリリースしている M.Ward にハズレ作品はない。本作の聴き物はホンワカ・ヴォーカルで歌われる「Let’Dance」。ご存じデヴィッド・ボウイの大ヒット曲だ。彼の強烈な個性が伝わる。

* Bill Frisell 『Valentine』

ビル・フリゼールも多作の人。基本はジャズ・ギタリストだがブルース、カントリーなど米国のルーツ音楽のほか、かなり先鋭的な作品も数多い。ニコニコ顔の前衛音楽家。どの作品も毎日聴いても全く飽きない。


18 ナシゴレン NOAH  東京・浅草

- 日本編 -

1. シュガーベイブ 『SONGS 50th Anniversary Edition』 50周年記念盤

二枚目の「TATSURO YAMASHITA Sings Sugar Babe Live」聴きたさに1994から待たされましたが文句なしの演奏です。

2. 佐野元春 with the Heartland 『Land Ho!』

b/rとCDと配信でしたがようやく完全版を見ることができました、岩岡さん中心の写真集も最高の出来1994のアーカイヴ作品。

3. シーナ&ロケッツ 『帰国直後ライヴ!1980』

当時の渋谷公会堂の空気全開のS&Rの実況録音、AYUレコードは今後もアーカイヴが期待できる。


- 洋楽編 -

1. Bruce Springsteen 『Land of Hope & Dreams』

26年の一番の出来事はイギリス・マンチェスターの Co-op Live でツアー初日と二日目を目撃できたこと、そしてその時の音源が配信ですが公式に発表されたこと、確かにここにいたんだ。

2. Bryan Adams 『Roll With The Punches』

26年の2番目の出来事はイギリス・リヴァプールでの Bryan Adams のライヴ、1989年東京以来でしたが変わらぬパフォーマンスに圧倒されまくりました。その時はまだ発売前でしたがこのアルバムからの新曲は輝いていました。

3. John Lennon 『Power To The People』

10月のオーストラリア行きの時期に発売、行きの飛行機内でずっとこのBOXを聴き倒す、特に Live In NYC はようやくほぼ全曲が公開されたので聴き込んでしまった。番組でも特集をやりました。


- アナログ編 -

今年の1番の音楽ライフはレコードプレイヤーを手に入れたことです。40年ぶりに!そして復活したアナログハンターの旅で再開したレコードベスト3

1. Wings, The Who, Queen, Clash ほか 『カンボジア難民救済コンサート』 (1979)

未CD未配信の二枚組。当時高校生でした、思えばその後の Paul の来日血石事件などこの時の Wings がラストライヴというのも残念でならない、そのほかの出演者も油の乗った当時のイギリスロックオールスターという感じです。

2. ダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンド 『海賊盤 Live Fighting 80’s』 (1980)

当時大学生よく公開録画のライヴを見に蒲田の電子工学院へ通いました。その番組のホスト役が宇崎竜童。彼の率いるバンドの有名曲はなくやや危ない歌詞の放送禁止ソングなど「鶴見ハートエイク」などの名曲が聞けるもちろん未CD未配信。

3. 沢田研二 『比叡山フリーコンサート』 (1972)

今年はジュリーのツアーに2回参加しました、長田進さんギター、古田たかしさんドラムという最高のロックバンドでした。そんなジュリーの記念すべきフリーコンサートの実況録音盤、ゲスト陣もすごくゆーやさん、デイヴ平尾、元タイガースのメンバーとバックは井上尭之バンド&ミッキー吉野グループ最強です。ジュリーも自身のヒット曲は抑えめで大好きな Stones やR&Rのスタンダードを楽しそうに歌っています、未CD未配信。

今年もアルバムを音楽をいっぱい聴きました、一年を振り返る機会を毎年いただきありがとうございます。2026年はさらにアナログハンターに向いそうです。


19 百間  新潟県  48歳  https://x.com/hyakuken

1. スターダスト☆レビュー 『星屑冒険王』

2. Watana Besta SOCIAL club 『Soul Mate』

3. 山口美央子 『LOVE & SALT』

1は昨年から3年越しデビュー45周年ツアー中のバンドの4年半ぶりのオリジナルフルアルバム。長きに亘り作品とステージの両輪で弛まぬ研鑽重ね続けるバンドマンたちが歌い奏でる豊饒な歌声と音色は、風通し良い陽だまりのような馴染み深くも瑞々しい創意と揺るぎない音楽への情熱に溢れ、聴き返す度に前向きに齢重ねる力が湧きました。

2は北海道を中心に活動するシンガーソングライターの10年ぶりのオリジナルフルアルバム。一音一音、一声一声丁寧に編み上げられた歌声と音色は、いつの間にか心の小部屋に飾られていたタペストリーのような穏やかな風情があって、聴き返す度に先行き不透明な世情に揺らぐ気持ち落ち着かせ、再び歩き出す力が湧きました。

3は1980年デビューのシンガーソングライターの3年ぶりのオリジナルフルアルバム。万華鏡のように色とりどりに煌めく音色に、たおやかな声で鮮やかな描線挿す歌世界は、何十年前に初めて音楽と出逢ったときの感性呼び覚ますような刺激に溢れ、聴き返す度に未知なる音楽と逢いにゆく力が湧きました。

以下次点(タイトル洋楽ABC順、邦楽50音順)
Aftertones『Adegan Dewasa』、Titanic『HAGEN』、Gergos Dalaras『Kati Ellades』、Marshall Allen『New Dawn』、Quadeca『Vanisher, Horizon Scraper』、鈴木美貴子ズ『あばら』、星街すいせい『新星目録』、鶴『スリーピース』、矢井田瞳『DOORS』、betcover!!『勇気』

年明けに新メンバー2人を迎え3人組として動き出した ClariS の15年目の軌跡追いかけつつ、夏までは足しげくライブ通い、秋からは「#私を構成する〇枚」といった選盤企画を通じて改めて自分の音楽観と向き合った一年でした。じっくり腰を据えて新譜アルバムと向き合う時間は少なめでしたが、それでも心に響く作品とのたくさんの出会いに恵まれました。長年使ってきたオーディオ機器が経年で入替のタイミングを迎えた2026年はリスニング環境も含めた音楽生活の再構築に取り組もうと思っています。


20 福田 秀貴  杉並区  57歳

* Van Morrison 『Remembering Now』

* Molly Tuttle 『So Long Little Miss Sunshine』

* Mavis Staples 『Sad and Beautiful World』

今年も新譜を買う頻度は少なかったですが、この3枚は良く聞きました。


21 Blue  東京都  61歳  https://note.com/bluespiritblues

1. 『パーフェクトブルー オリジナル・サウンドトラック』

1998年に公開された今敏の初監督作品「パーフェクトブルー」を彩ったサウンドトラックの最新リマスター・リイシュー。CDと共に、ジャケット・アートを最大限に活かした限定アナログ盤の再発が嬉しかった。

2. 仲井戸麗市 『The 仲井戸麗市 BOOK』『絵』『DADA』

デビュー55周年を記念した、仲井戸麗市の1st〜3rdソロ作の最新リマスター&180g重量盤2LPリイシュー。音質の向上はもちろん、未発表写真を用いたジャケットまで含めて丁寧に作り込まれた復刻企画。作品の魅力を改めて味わえる、充実の3タイトル。

3. 浜田真理子とロンサムストリングス 「思ひで / 煮込みワルツ」

両A面仕様で発表されたアナログ7インチ・シングル。鈴木常吉、つれれこ社中の名曲を、浜田真理子の声とロンサムストリングスの演奏が現代に美しくよみがえらせた、心に残る好カヴァー盤。


22 真紀  東京都

* Nick Lowe 『(Not) Indoor Safari Vol. 1』

* Mavis Staples 『Sad and Beautiful World』

* Cole Quest and The City Pickers 『Homegrown』

Nick Lowe のライブ盤は、Nick の円熟の魅力が詰まった素晴らしい仕上がりで、それだけに来日のニュースがいっそう待ち遠しくなるアルバムでもありました。
一方、Mavis は3月に来日してくださり、そのレジェンドの歌声に心が震えました。そして、待望の新譜のリリースまで!さらに映画も公開されて、まさに Mavis 尽くしの一年となりました。
初めて出会ったバンド、Cole Quest and The City Pickers。バンド編成もサウンドもまさに私好みで、聴きながら思わず頬がゆるみました。アコースティックの温もりと軽快なリズムが心地よく、これからもっと深掘りしたくなる一枚です。


23 増田和彦(ニャロメ)  千葉県  63歳

1. Bruce Springsteen 『明日なき暴走』(50周年 日本独自企画盤)

関係者様の熱意の賜物で、世界に誇れる内容と思います。ライブ音源が最高!スプリングスティーンはNebraska の拡張版、Tracks2、そして映画「スプリングスティーン孤独のハイウェイ」も素晴らしかった。5月にフランスのリールにライブを見に行ったのもいい思い出です。

2. Mavis Staples 『Sad and Beautiful World』

困難な時代に、究極の癒し、安らぎを与えてくれる素晴らしいアルバム。純粋な新譜としては2025年のベスト。天辰さんが解説を書かれておられるのも嬉しいです。

3. Jason Isbell and The 400 Unit 『Live from the Ryman Vol. 2』

新譜『Foxes in the Snow』も良かったけど、やっぱり The 400 Unit との共演のほうがいい。2024年に出ていたライブ盤は聴いてびっくりの素晴らしさでした。プロデュースを手がけた Kathleen Edwards の新作も最高でした。


24 松井 愼一  神奈川県  70歳

1. ジョニ・ミッチェル 『ジョニズ・ジャズ』

2014年に出された編集盤『Love Has Many Faces』と同様に、各アルバムの曲順で聴き慣れた曲が、一つのテーマに沿って新旧取り混ぜて並べ替えられると、とても新鮮に感じる、そんなアルバムでした。繰り返し聴きました。

2. Dionne Warwick 『Make It Easy On Yourself : The Scepter Recordings 1962-1971』

長年、待ち望んでいました。彼女のセプター時代がまとまって聴ける(それも廉価のボックスで)だけで充分です。

3. オムニバス 『ロジャー・ニコルス・ソングブック』

良い曲を、(聴き慣れた人たちではなく)新鮮に感じる人たちが歌う、という素敵なオムニバスでした。

その他、Kingfishr『Halcyon』 、New Street Adventure『What Kind Of World?』、といった「期待が持てる新しい音」に出会えたことが嬉しかったです。


25 松波 宗義  八王子市  80歳

1. ちあきなおみ 『あまぐも』(’78)

2. Oasis 『Oasis』(’73)

3. Buckingham Nicks 『Buckingham Nicks』(’73)

ここ2~3年の収穫は、近くの◯◯オフでの安レコ/CD(¥110~550)が殆ど(大量買いBest3は、杏里=10枚、今井美樹=9枚、佐藤竹善/シング・ライク・トーキング=9枚)ですが、そんな中で大枚(¥4,000~6,000)を叩購入したのが上の「Best 3」3枚です。いずれも過去の名作と言われていますね?


26 Mayumi Abe  東京都  https://heartbreakers.jp/archive/

* Benmont Tench 『The Melancholy Season』

闘病の影響もあって発売が遅れましたが、11年ぶりのセカンド・アルバムが無事に届けられてホッとしました。ささやくような歌声とピアノを中心にした楽曲、前作同様に Benmont の作り出すサウンドに癒されました。

* Buckingham Nicks 『Buckingham Nicks』

Lindsey & Stevie の Fleetwood Mac 加入前の作品。再発されることなく50年以上が経過し、ようやく世間に出ました。この中の「Crystal」という曲が昔から大好きなのですが、『Fleetwood Mac』に再録されたバージョンより何倍も良いです。ブートレッグテープ、レプリカアナログ、日本のみ発売のCDと入手して聴いてきましたが、ちゃんとした形でリリースされたことは何よりも嬉しいです。

(おまけ)実のところ、2025年に一番聴いたのは洋楽ではなく、Rockon Social Club 「ポイントちょーだい」でした。YouTube でたまたま見たMVがツボで、何時見ても何度見ても笑ってしまいます。よく出来てます。


27 丸山 由岐子  東京都  58歳

* Peter Gallway & 佐橋佳幸 『EN』Volume One

元”フィフス・アヴェニュー・バンド”のピーター・ゴールウェイと親交のある佐橋佳幸が、ピーターからの提案で実現させたプロジェクト。細野晴臣、大貫妙子、矢野顕子、松たか子 etc も参加。夢のようなアルバム。「EN」とは「縁」でもあり「サークル」でもあり…。2025年来日公演も実現した。Volume Two にも期待したい。

* 佐野元春 & The Coyote Band 『HAYABUSA JET I』

* 佐野元春 & The Coyote Band 『HAYABUSA JET II』

“再定義”と位置付けられた、コヨーテバンド(深沼元昭G、高桑圭B、小松シゲルD、渡辺シュンスケKey、藤田顕B)との新録集。所謂”セルフカバーもの”ではあるが、45周年ツアーと並行して理屈抜きで楽しんだ2枚。元々の楽曲の佳さありき。瑞々しい仕上がりは、20周年にもなるバンドとの一体感が成せる技。


28 水口 正裕  神奈川県  70歳  Misoppa’s Band Wagon

1. I’m With Her 『Wild And Clear And Blue』

2. Jon Batiste 『Big Money』

3. Cécile McLorin Salvant 『Oh Snap』

リリース順です。いずれも今さら挙げるのがおこがましいような名盤かと思いますが…。
1は、それぞれが優れたシンガー・ソングライターでもある3人が組んだスーパー・トリオの2枚目。ツアーのライヴ映像がしばしばSNSに上がってシビれました。再来日希望。
2は、八面六臂の活躍を続けるシンガー・ソングライター/ピアノ・プレイヤーetc.のとびきりグルーヴィな1枚。ランディ・ニューマンとの共演も話題に。
3は、8月のブルーノート東京でのライヴも素晴らしかったジャズ・ヴォーカリスト/ソングライターがこれまで以上に天衣無縫/融通無碍に展開する自在な楽曲群。無敵。


29 光実 保好  岡山県  61歳

恒例の Best3 企画、今回も続けていただきありがとうございます。
2025年は音楽映画をいくつか観る機会があり、それらの映画を通じてこれまで聴いてきた音楽を改めて再発見するような年でした。2026年も新しい音楽体験を求めて、楽しく過ごしていきたいものです。

1. Bruce Springsteen 『Nebraska ’82: Expanded Edition』(2025)

映画「Springsteen: Deliver Me from Nowhere」は、丁度ほぼ同時期に発売された本アルバムと両方合わせて鑑賞することによって、アルバムに封印された音塊を得体の知れない生物のように感じました。そして、映画館のスピーカーから鳴らされる弾き語りの録音シーンの音そのものが生々しく響いたのがとても印象的でした。他には「A Complete Unknown」「ROLLING STONES AT THE MAX」(あの時代でこの鮮烈な映像は凄かった。まるで会場に居るような臨場感でした)がよかったです。

2. Jeff Buckley 『It’s Never Over – Songs From the Film』(2025)

Jeff Buckley のドキュメンタリーのサウンドトラックでしょうか、たまたまサブスクで見つけて大いにハマりました。改めて彼の全アルバムを聴き直して感じたのは、今にも壊れそうな瞬間がいくつも飛び出してきて、とても繊細な人だったのだろうと想像しながら聞いているうち、すっかり心を掴まれました。

3. Frazey Ford 『Indian Ocean (Deluxe Edition)』(2025)

2025年も素晴らしい女性アーティストのアルバムに多数出会えました。TOP3としてどのアルバムを選ぼうか悩みましたが、新譜ではないものの珠玉のボーナストラックが追加され2025年に再リリースされた本アルバムを選びました。2014年に出会って以来、彼女が在籍していた「The Be Good Tanyas」まで遡って聴き、それが最高過ぎてずっとMy Favoriteであり続けています。お勧めです。


30 森 陽馬  東京都  51歳

* 東京ローカル・ホンク 『夜明け前』

日本一、世界一、宇宙一大好きなバンド、東京ローカル・ホンクの14年ぶり新作。
「さよならがなければ しあわせなのかな」「しあわせじゃない日は いらない日なのかな」
(「あおいとりをたべる」歌詞より)
喜怒哀楽が詰まった歌とホンク・サウンドに心打たれました。


31 若松 隆  埼玉県

1. ニール・ヤング・アンド・ザ・クローム・ハーツ 『トーキン・トゥ・ザ・トゥリーズ』

新譜だけでなく、数々のアーカイブが発売され、今年も一年を通して刺激を与えてくれる。

2. ボブ・ディラン 『スルー・ザ・オープン・ウィンドウ 1956-1963』(ブートレッグ・シリーズ第18集)

かつて書籍でしか目にできなかった音源を今聞けることは、長年のパズルのピースが当てはまるかのような快感がある。

3. メイヴィス・ステイプルズ 『サッド・アンド・ビューティフル・ワールド』

この衰えないパワーはどこから来るのだろう。素晴らしい。


32 渡辺 真也  神奈川県  71歳

アルバムには絞りきれなかった為全てシングルです。
ここ10年間で出て来た New Comer の若者達。今年も時折り聴いてました。

* I’m With Her「Crossing Muddy Waters」

John Hiatt のカヴァー曲。地に足が着いている彼女達の姿勢が好感が持てます。ステージでは David Crosby、Jackson Browne とも競演。その控え目さが印象的でした。

* The Saxophones 「If You’re On The Water」

夫婦デュオです。Nick Drake 経由で知ったのですが、Oakland をベースに活動しています。何なんだろうなあ。この肩の力が入ってないところは。です。

* Alice Phoebe Lou 「Walk On The Wild Side」

Lou Reed のカヴァーを女性が歌う。意表を突かれました。レコード化になっていませんが、YouTube で路上ライヴ時代の模様が観られます。磨けば光る宝石みたいに輝いてました。

以上たった3曲。でもお気に入りです。


33 渡邉 雅哉  支部:鳥取県/本部:愛知県  65歳

1. エディ藩とオリエント・エクスプレス 『その1』
コロムビア/マスクラット 1974年リリース / 2006年 CD

25年以上前に中古レコード屋さんの店内で、店員さんがかけていた一枚。すごくカッコよく思えて、どのレコードか友達とふたりレジに確認に行った。友達は正確に金額も覚えていました。2025年5月にエディ藩さんはなくなられ、思い出したように探してCDで入手、ずっと聴いています。

2. ドゥービー・ブラザーズ 『ウォーク・ディス・ロード』
ワーナー WPCR-18734 2025年リリース 解説:天辰さん

正式にマイケル・マクドナルドが復帰し、トム、パット、マイケルと3人が揃ったアルバム。今まで前期、後期と分けて聴いてきたのに慣れているので、3人の楽曲とボーカルが順に演奏される不思議さを感じました。このスタイルはまだ始まったばかり。できることならテッド・テンプルマンによる再々度のプロデュースとテッドの演奏するティンバレスで、この新しい展開を感じたい。

3. ジェリー・リン・ウィリアムス 『ジェリー・ウィリアムス』
ソニー SICP-6724 期間生産限定盤 1972年リリース / 2025年 CD

1st.ソロアルバムが国内盤として、初めてCD化。30年以上前か、中古レコード屋さんの店主さんと、これのアナログ盤の話題になって、オススメって。その時すっかりスルーしてしまって、今頃になってCDを入手。聴いてみたら演奏はもちろん、曲が素晴らしくって。シンコーミュージックから出ているテッド・テンプルマンの本(プラチナ・ディスクはいかにして生まれたのか テッド・テンプルマンの音楽人生)を読んだ。その中にジェリー・リンの話が何度か出てくる。大変な人だったみたいですが、それとは関係なく素晴らしい曲を作ると書いてありました。もしかしたら、それと関係はあるのかも知れないな、と思いながら読みました。


34 天辰 保文  千葉県  76歳

* Van Morrison 『Remembering Now』

* Taj Mahal & Keb’ Mo’ 『Room On The Porch』

* Mavis Staples 『Sad And Beautiful World』

次点
Geese 『Getting Killed』
Bon Iver 『SABLE, fABLE』
Liam O Maonlai 『Prayer』
Big Thief 『Double Infinity』
Mike Reid & Joe Henry 『Life And Time』

一応、3枚を選ぶのだとしたら、ヴァン・モリソン、タジ・マハール&ケブ・モ、メイヴィス・ステイプルズ、それぞれの新作ということになりますが、次点としてあげた他のアルバムも、多くの時間を共に過ごした大切なアルバムです。それぞれの魅力というか、どんなところにこころ奪われたかと言えば、一つ一つ説明するのは難しいのですが、ヴァン、メイヴィス、タジモの3組は、いずれも実績のあるベテランたちで、特別変わったことをやっているわけではありません。ただ、音楽に付随するいろんなことに贅言を弄することなく、音楽への信頼というか、まずなによりも音楽を信じている彼らの思いが、音楽の体幹の強さを生み、どんな時代であれ、年齢とかにかかわらず、音楽に揺るぎない何かをもたらしているような、そんなことを改めて思いました。新しい出会いでは、ギースとの出会いが群を抜いて印象的でした。若い人たちからこういう刺激を受けるとワクワクさせられますね。


2025年は、いろんなことで、慌ただしい年でした。2026年の今年は、会社を辞めてフリーで書き始めて50年ということになります。50年かあ、随分と遠くにきちゃったなあ、と溜め息が出てきそうですが、好きなことをやってきたに過ぎず、難しく考えずにいままで通りそれを続けていくしかないのですが、こういう機会でもなければと、萎れたこころに新風を吹き込むべく、こんなことを音楽について書く際にはと、こころに期しました。「重いことを軽やかに、軽いことを深く、深いことを簡素に、簡素なことを大切に」と、どなたかが記された名言に似ていますが。
今回も、参加してくださった皆さんにはお礼を言わせてください。ありがとうございました。また、1年後の再会を楽しみにしています。それにしても、不穏な世の中になってきましたね。

2026年 1月 天辰保文